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平成11年1月25日
注目するタイムスケジュールとそれに対する克美の評価
− イベント 株式市場への影響 1月 通常国会、銀行に資本注入額決定 ○ 2月 旧正月(2・16)前後の朝鮮半島情勢 × ブラジル問題 × 3月 3月期決算 × 社債の大量償還(2兆4626億円) × 規制緩和3年計画まとめ 結果次第 有価証券取引税撤廃 ○ 4月 新連結財務会計原則 × 保険会社に早期是正措置 × 統一地方選挙 × 5月 小渕首相訪米 中立 6月 サミット 結果次第
思い切った景気対策を打ち出した小渕政権だが・・・
☆本年(1999年)の株式市場は小渕政権の打ち出した景気対策の効果を見極める展開となるだろう。だが、現在見えている政策は中・長期的に日本経済にマイナス面が多く、景気回復が見えたとしても効果は一時的なものにとどまる。よって、株価は相当厳しい局面を迎えるだろう。☆モルガンスタンレーのアナリスト、バートン・ビックス氏は、日本の株価はPERとPBRから割安で、消費税引き下げによる需要刺激を行えば「次の大相場は日本」と述べている。しかし、筆者克美は、消費税の引き上げはあっても引き下げなしとみる。よって「次の大相場は日本」が実現する見込みは薄い。
☆ちなみに、ジョージ・ソロス氏は、日本は今売りか買いかの判断に迷っているという。
為替について
☆円高がデフレを加速、製造業の収益悪化とともに波乱要因になり得る。円は日本の貿易黒字問題、ドル安という二つの側面から買われやすい。ただ、1ドル=105円前後が円高のピークと予測する向きが多いようだ。
追加対策が出たとしても、株価への効果はマイナス
☆小渕政権は政府目標の0.5%成長が達成できなければ、追加の対策を出すという。しかし、その一部が商品券構想であり、従来型の財政のバラまきでは、景気対策を出せば出すほど株価は軟調になるだろう。
日経平均株価のイメージ
☆高値 1万6000〜7000円(年央または年末)、 安値 1万2000〜2500円(11月)割れ以下、右肩下がりのW型の相場形状が今のところが有力だ。
− 98/4-6月 7-9月 10-12月 99/1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 2001/1-3月 前期比GDP ▼0.7% ▼0.7% 0.2% ▼0.9% 0.4% 0.5% ▼1.3% 1.2% 日経225(平均値) 15500円 15300円 14100円 13500円 15000円 14000円 13000円 15500円 ※GDPは前年同期比、日経NEEDSによる。
※日経平均株価は、98年4−12月は平均値であり、99年1−3月は筆者克美のイメージである。
今後の留意点
☆人為的に低く押さえられてきた長期金利が上昇するのは、中長期的には正常化の動きだが、現状の景気を考えればデメリットが多い。設備投資を一段と冷え込ませるほか、住宅金利上昇は個人を直撃、国の借金も雪だるま式に増加する懸念があるだろう。
☆1−3月期は1万3000円を大きく割り込むと、何らかの株価対策や株価維持策が見える可能性が強い。よって、弱気相場のなかで打診買いをする水準が1万3000円台半ば辺りとみる。
銘柄選択で期待される材料、テーマは?
☆第一に業界再編、M&A、リストラだ。
☆第二にアジア経済の回復、中国経済の高い成長:世界的な景気減速が強まるなかでポイントは中国だ。中国経済が8%以上を達成するような内需拡大が出来れば、素材品の買い付け量が増加する。例えば、化学品のように市況が底打ちするだろう。残念ながら、その可能性は乏しい。
☆第三に半導体、液晶の需給逼迫、パソコン販売の増加:日本、韓国、台湾の大幅な設備投資削減にともない、今年夏以降半導体は深刻な供給不足に陥る可能性がある。
☆ミクロ経済がより厳しくなるなかで、逆にチャンスまたはメリットを受ける企業のみが買われることとなるだろう。
具体的な注目銘柄
☆たとえばホーマック(東証二部、商業=9840)だ。同社の地盤は北日本だが、その北海道・東北地区で最大というバイイングパワーを生かし、仕入れ条件の改善が可能となっている。
☆信越化学(東証一部、化学=4063)は半導体市況回復でもっともメリットを受ける。
☆沖電気(東証一部、電気機器=6703)、三菱電機(東証一部、電気機器=6503)が大穴候補。
☆太陽誘電(東証一部、電気機器=6976):CD−Rを大幅増産、世界シェア30%を目指す。
☆持ち合い解消売りの少ない店頭公開企業(克美自身が中間決算を検討した結果、面白いと感じた企業):サイゼリア(店頭、商業=7581)、吉野家D&C(店頭、商業=9861)、田谷(店頭、サービス=4679)、コモ(店頭、食品=2224)、東京デリカ(店頭、商業=9990)、ケーズデンキ(店頭、商業=8282)
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