(2001年7月6・13日)

山陽商会の単独の決算期が誤っていました。お詫びのうえ訂正いたします。

(「大阪新聞」平成13年7月13日)

米国の企業業績悪化、それによる株安は大方の市場参加者が予想していたことだ。

しかし、日本のハイテク株の急落に備えている国内機関投資家は少なく、結果的にポートフォリオが相当痛んだ。

筆者はほとんどハイテク株らしき銘柄は推奨しておらず、何とか痛みをも伴う改革(ナンセンスな部分も多い)を乗り切れそうだ。

さて、本日は中・長期的観点からライオン(東証一部、化学=ライオン=4912)を狙う。

今期から2005年12月期までの新中期計画「VIP計画」を推進中。主力ブランドへの経営資源の集中や商品数の絞り込み、および販売促進比の削減、収益構造の抜本的な改革によるコストダウンが、その計画の柱だ。

どの会社でもやっている当たり前の経営改革だが、オールド・エコノミーの代表企業である同社が本気で取り組み始めた点を評価する。

足元は単価下落があるが、コスト削減や久々の新製品のヒットもあり、通期ベースで会社計画は確保できそうだ。

当面、625円が目標株価となろう。


ライオン株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

99.12

342,008

7,954

11,070

5,965

18.9

00.12

332,631

8,195

10,946

8,373

26.1

01.12(予想)

315,000

11,000

▼10,000


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

99.12

310,004

4,681

8,812

4,873

15.4

8.0

00.12

299,144

4,082

7,818

2,524

7.9

8.0

01.12(予想)

280,000

8,000

▼11,000

8.0

本日二番目の銘柄は、三陽商会(東証一部、繊維=8011)

オンワード樫山(8016)ワールド(3596)など、他のアパレルも好調だが、同社も夏物が拡大基調だ。

6月の既存店売上高(直営店)は前年比4.9%増。

そのため、今期の売上高・利益は大幅な上方修正が濃厚となった。株価はそれを先取りしながら上昇したものの、現実買いがもう1ラウンドありそうで、買い推奨する。


三陽商会株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

99.12

144,636

5,414

4,514

1,673

12.3

00.12

125,975

5,406

4,367

▼2,663

01.12(予想)

127,000

5,700

3,200

23.5


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

99.12

136,260

6,239

4,662

1,881

13.8

12.0

00.12

120,663

5,454

5,060

▼3,075

12.0

01.12(予想)

125,000

5,700

3,100

22.8

12.0

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野村の証券用語解説集


(「大阪新聞」平成13年7月6日)

ハイテク株はもうそろそろ買っていよいか、という問い合わせがまだある。筆者の答えは「貴方がもう投げた方が無難か、という質問をしたときこそ底値だ」。

若干、皮肉っぽい回答だが、国内の機関投資家をはじめ、ハイテク(電機、精密)株の投資ウエイトがいぜん高いほか、業績の下方修正は市場予想を上回ると思われ、パニック売りさえあり得る。注意が必要だ。

そこで、本日はややディフェンシブ的な色彩のあるニフコ(東証一部、化学=7988)を推奨する。

同社は、自動車向けプラスチックファスナーをはじめ、精密成形部品や複合部品の製造・販売が主力だ。

しかし、グループ内にジャパン・タイムズ、シモンズ・ベッドという有名ブランド会社を持つ。

今期は15%の経常減益予想ながら、先行投資の負担増や前期あった営業外収益が今期なくなるためで、利益率が落ちたということはない。

確かに主要顧客が、自動車、電機メーカーで、景気後退の影響は受けようが、財務体質の強さ、PER13倍弱と割安感が強い。

来期予想PER15倍の2,030円が目標株価と考える。

ニフコ株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

92,201

10,729

11,077

4,242

71.0

01.3

101,092

11,497

13,199

7,507

126.6

02.3(予想)

103,000

11,260

6,200

103.8


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

50,764

7,235

7,784

2,784

46.6

19.0
記念配当

01.3

53,402

7,023

9,013

5,221

87.4

20.0

02.3(予想)

52,000

7,300

4,200

70.3

20.0

本日二番目は川崎重工(東証一部、輸送用機器=7012)

今回は4期ぶりに経常黒字に転換、円安も追い風となりそうだ。

また、海外での鉄道車両(日立と提携)、航空宇宙関連事業が今後拡大基調となるほか、リストラ余地が極めて大きく、経営改革を期待する。

目標株価は強気の300円台乗せ(同時に石川島播磨重工業(7013)にも注目する)。


川崎重工株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

1,149,698

1,250

▼16,068

▼18,632

01.3

1,060,479

4,460

▼3,512

▼10,319

02.3(予想)

1,160,000

13,000

7,000

5.0


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

944,770

▼9,850

▼22,026

▼16,488

01.3

850,801

▼2,976

▼3,806

▼12,663

02.3(予想)

940,000

10,000

5,000

3.6

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