(8月28日・9月4日分)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。

(「大阪新聞」平成10年9月4日)

 米国の株式市場が急落、世界同時株安の様相を見せてきた。下げ過ぎの反動で若干戻るかもしれないが、不安定さは続こう。

 一方、日本株も業績の下方修正懸念がつきまとい積極的にはなれない。そこで個別の株価水準を吟味し、割安と判断される銘柄を推奨する。

 本日はタカキュー(8166)に注目したい。足元の売上高が回復している。既存店ベースでの売上は7月が前年比13%、8月が14%増となっている。これは、不振のカジュアル部門を縮小しビジネス衣料を強化する等、一連の事業見直しの効果が徐々に表れてきた結果と言えよう。特に、店舗からの発注に即座に対応できるクイックレスポンス体制を整えたことが大きい。

 また、若手の採用、現場への権限委譲といった従業員の意識向上化にも成功、リストラの痛みは感じさせない売り場作りとなっている。

 今期の収益はトントンの見通しだが、売上の回復、コスト削減から黒字化は近そう。そうなれば1株辺り純資産560円の約半分、280円迄株価リバウンドは十分ありうると考える。

 本日2番目の銘柄は鐘淵化学(4118)。

 高採算である食品部門が前年比10%増、医薬品部門も好調で、今期、来期と業績は拡大基調を続けよう。今期連結EPSは30円、PエR30倍を想定して900円目標としたい。


(「大阪新聞」平成10年8月28日)

 世界的なデフレ懸念の高まりから世界の株式市場は不安定。国内も信用リスクがつきまとい相場全体は弱気調が続こう。よって、目先の動きにとらわれず中長期的な投資スタンスで臨むのが賢明。

そこで本日はスズキ(7269)に注目したい。

 足元は消費低迷の影響とともに、軽自動車の規格変更を前に買い控えが強まり厳しい状態。しかし、車幅と車長が拡張する新規格車の販売が景気回復が期待される10月以降に行われることから、軽自動車全体の需要増が予想される。なかでも同社は主力車種を一斉に新モデル化へ変更し、一気に攻勢を掛ける方針である。

 また、海外事業は好調。東欧諸国やインド等の海外展開がようやく功を奏したようだ。一方、2輪車は欧州、国内の大型車ブームを受けて、国内生産計画を前年比2割増に引き上げた。

 更に、今後は2輪車の部品共通化に努めコスト削減を図る。以上のことに加え、円安効果があり今期連結EPSは66円、来期は70円乗せとなろう。

 目標株価はずばり2000円どころ

本日2番目の銘柄はドンキホーテ(7532)。

 アイテム数が約4万とコンビニの10倍以上の品揃えを有し、営業時間の拡大、低価格化と新しいカテゴリーキラーとしての位置づけ。

 新規出店の積極化と既存店の伸びが当面続き、収益は急拡大しよう。5桁の株価も夢でない。


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※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。