
7月の投資戦略 平成12年7月5日
6月の株式市場を振り返って
☆6月は外人投資家の売り越しが継続し、IT関連株と日経225採用銘柄の入れ替えにかかわる上値の重さがあって、月半ばまでは軟調に推移した。
☆しかし、景気の本格回復期待、それによる企業収益の好調、総選挙で与党の勝利見込まれることとなったこと、そごうの再建計画がまとまったこと、そして米NASDAQの戻りが加わり、月後半は日経225がリバウンドを示現した。年初来高値を更新する銘柄が連日100を超えるなど、物色意欲が急速に高まった。
ゼロ金利解除とその株式市場への影響は?
☆日銀短観の発表後、7月17日の日銀金融政策決定会合において「ゼロ金利」が解除されるかどうかが金融市場の焦点だ。
☆少なくとも年末までは国内景気の見通しが明るく、そのため早期解除を目指したい日銀が内外の圧力(米国などの外圧と自民党の選挙公約)が鍵となるだろう。日銀副総裁の地ならし的な発言や一部一般紙の観測記事などもあって、短期金利市場ではすでに解除を織り込んできている。
☆とはいえ、株式市場に与える影響が気になるところだ。
☆6月の後半には業績相場的な動きがみられた。それは今年前半までにみられた過剰流動性を背景にしたネット関連株や値がさ株の一極集中物色が是正されたあとにタイミング良く、前3月期決算の好調と今期の増益見通しを受けて、業績変化率の高い中・低位株の水準訂正が続いたからと考えている。とくに、来期予想PERが低い銘柄の株価上昇が顕著であったことは、それを裏付けている。
☆これにたいして、金利上昇に弱い銘柄の株価は金利上昇を織り込みつつあるため、さえない動きとなっている。よって、解除の影響は軽微、と見る向きもある。ただ、株式市場のコンセンサスは早期解除を完全に織り込んでいるとは思えない。建設、不動産、銀行、素材の一部には、月内解除があれば調整がありそうだ。
☆また、米国のマーケットにどう影響を与えるかに注意したい。
7月の株式市場は?
☆今年に入って1兆5,000億円買い越した投信(昨年同時期は1,100億円の売り越し)と国内の年金資金の下支え、騰落レシオが100%を超え投資マインドが改善し物色意欲が拡大していること、さらにはサミット期間前後は好材料出現を期待する向きが多いことから、7月の相場全般はしっかりしているのではないか。
☆しかし、米国株に連動性が高い銘柄は上値が重く、軟調に推移するのではないか。逆にいえば、IT関連株などのグロース株は売られる局面があれば、拾うべきだろう。
最後に一言
☆7月もバリュー的な銘柄群の優位性が強いと考える。なかでも、店頭株には出遅れ感がある。
☆蛇足だが、8月には多くの銘柄が売買単位の引き下げをおこなう。
※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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