平成14年6月2日
5月の市場を振り返って
☆5月の株式市場も先月に続き、好需給に支えられ概ね堅調に推移し、日経平均株価は23日に年初来高値を付けた。
☆17日の月例経済報告では「景気は依然厳しいが底入れしている」との判断があって、景気回復期待が高まった。また、3月期決算の発表がおこなわれる過程でV字型回復期待が強まり、内需関連株を中心に外国人投資家の買いが集まった。
☆為替市場では米国市場の不安定さから1$=122円台まで円高が進行し、政府・日銀は3度にわたる円売り介入に踏み切った。
☆一方で、ムーディーズは日本国債の格付けを2段階引き下げたものの、その影響は軽微にとどまった。
重要なイベントが相次ぐ6月
☆6月は、サッカーの第17回ワールドカップ開催(30日決勝)、G8サミット(26・27日、カナダ)、政府の追加デフレ政策・税制改革の基本方針がまとまるという3大イベントがあるうえ、1〜3月期のGDP速報(7日)、SQ(14日)、通常国会会期末(19日、政府は会期延長を検討中)、株主総会集中日(27日)など重要なタイムスケジュールが相次ぐ。
☆とくにデフレからの本格的な離脱が期待されるような政策が打ち出されるかどうかが鍵となりそうだ。
☆ただ、今のところは小泉政権の地盤が揺らいでいることや重要法案の審議の混乱が予想されることから、政策に大きな期待がもてず、メインシナリオとして大きな節目の日経平均株価の1万2500円抜けは難しいと考える。
☆とはいえ、好需給を背景に相場全般は引き続き強含むのではないか。
6月の物色動向
☆6月は物色のリード役が見あたらず、「テーマ」も「焦点」もはっきりしない。
☆とはいえ、米国から日本への資金の流入、そしてそれによる円高が足元で続いていること、バリュエーション、トレンドを鑑みると輸出関連とくに自動車、ハイテクセクターをアンダーウエイトすることを提案する。
☆よって、内需関連にウエイトを置き、その中で業績の安定度の高い銘柄群、株価に割安感がある銘柄を狙っていきたい。
☆例えば、成長分野に経営資源を投入する企業、収益基盤が強く事業環境の悪化に耐えられる企業、円安より円高により恩恵を受ける食品株、そして、消費関連株では好業績で予想PERが低下している銘柄に注目する。
☆一方、大手銀行株は投資対象から外していたが、資金流入先として消去法的に買われる局面も想定している。短期トレーディングにはややチャンス、一方で持ち合い解消売りのチャンス機ではないか。
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