平成14年10月4日
9月の株式市場
☆9月の株式市場は、全般的に軟調な展開だった。米国の株安を受けて一時日経平均株価は9,000円の大台を割り込み、さらに終値ベースで9,075円09銭とバブル崩壊後の安値を付けた。
☆その後、9月中間期末にむけての政府のデフレ対策に注目が集まったが、日銀が18日に銀行の保有株の直接買い取りを発表、それはポジティブ・サプライズとなって日経平均株価は10,000円の大台に近づくまで急伸を見せた。
☆しかし、世界的な株安により外国人売りが目立ったほか、政府の追加デフレ対策を見極めたいとの思惑から買い手不在となり、出来高も増加せずに期末にかけて値を崩した。
今年度下期の株式市場
☆今年度下期(2002年10月〜2003年3月)の日経平均株価の予想レンジは、メイン・シナリオとして下値8,000円台(バリュエーションンが下支えするだろう)から上値1万2,000円程度を想定する。
☆日銀が「負の連鎖を断ち切る」姿勢を明確に示したことから、株式市場の動向は小泉内閣・政府の決断にかかっている。
☆そのなかで、先の内閣改造では銀行への公的資金注入に否定的だった柳沢氏が更迭され、竹中経済担当相が金融担当相を兼任することとなった。
☆首相のコメントのように「あらゆる手だてを通じて不良債権処理を進め、民間金融機関の健全性」を目指すべく新内閣は動き出すと見られる。
☆しかし、構造改革を進めれば進めるほどデフレが加速しよう。その懸念をうち消すべく、総合的な対策が求められるわけだが、マーケットは当面10月末に発表されるデフレ対策をにらんだ動きとなりそうだ。
各セクターの判断
☆まず自動車関連をポジティブとしたい。
☆上期は上方修正基調となったが、米国景気の減速、円相場の動向、大幅増益の反動などの影響が下期以降出てこよう。
☆だが、リストラが進捗しているほか国際競争力があるため、低バリュエーション株中心に押し目買い対応で。
☆電機は弱気を継続する。
☆長期の株価下落でリバウンドのタイミングを狙う向きはあろうが、機関投資家の保有比率が高く、またリストラも充分とは言い難い。
☆一方で、デジカメなど需要が拡大している製品群を持ち、米国依存が相対的に低い精密や業界再編、構造改革、価格の底打ち、アジア・中国で好調な鉄鋼、紙パルプなどの素材の一部を強気としたい。
☆銀行や通信株は悪材料がほぼ株価に織り込まれたと考え、インデックス並みの動きとなると想定し、従来の弱気スタンスから中立に引き上げておきたい。
☆ただ来年の1〜3月期は、世界的な株価下落のリスクを鑑み、一時的にディフェンシブ色を強めておくことを勧める。
☆投資のポイント、テーマとしては、「アジア・中国関連株」、「エネルギー関連株」、「ナノテク」、「バイオ」、「環境」、「リストラ・経営改革」、「株主重視」などだ。
☆これらのなかから、従来の固定観念にとらわれず中・長期投資に耐えうる銘柄を探すことが肝要となろう。
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