(1月8・22日分)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
なお、「ズバリ株」のチャートは過去3ヶ月分程度は、最近のものに差し替えてあります。

(「大阪新聞」平成11年1月22日)

ブラジル危機もひとまず落ち着きを取り戻し、米国株は堅調。国内では円高、金利高をある程度こなして半導体やインターネット関連株が人気化、上昇ピッチも相当早くなっている。

よって銘柄の選別がそろそろ必要となろう。

本日は信越化学(東証一部、化学=4063)に注目したい。

半導体の基盤となるシリコンウエハーと塩化ビニールで世界シェアトップ、用途が幅広いシリコーンでシェア3位とまさに国際優良企業。現状は石化製品の市況低迷や半導体市況の悪化等厳しい環境下のなかにあるが、予想以上の収益健闘、そして将来への事業拡大の積極策と着実に進んでいるようだ。

特に、来期は半導体生産の回復、エピタキシャルウエハの増加及び日立からの事業譲渡効果があること、米子会社のシンテック社の収益拡大や買収効果による塩ビ事業の競争力強化が明確になると思われる。

そのため、連結ベースでのPERは今後の成長を加味して35倍前後に迄買われる可能性があり、中長期目標株価を4000円として薦めたい。

本日、2番目の銘柄はキャビン(東証一部、商業=8164)だ。

地価下落による出店コストの低下、足元の収益回復、リストラに目処がつき5年ぶりに大量出店を再開。あとは復配と株価上昇を待つのみとなる。

目標株価は時価の倍水準と考える。



(「大阪新聞」平成11年1月8日)

国内景気の後退、急スピードの金利上昇に加え、110円迄の円高が株式市場を襲い年初から平均株価は急落。

しかし、個別銘柄の下げはそれ程大きくなく、また店頭株も活況を呈しており、現状では買うものなしとは言えない。そこで敢えてスズキ(東証一部、輸送用機器=7269)の底値を拾っておきたい。

昨年10月の規格変更で、国内自動車販売が落ち込む中軽自動車が好調に推移している。例えば、累計100万台を販売した「ワゴンR」は走行性能と質感をアップしたが、量販車ベースで旧規格車より販売価格を引き下げたのが好評、昨年より行っていた休日出勤を継続する方針。

更に、新規格第二弾としてトラック等の軽貨物車を投入、自営業者向けに売上拡大を図る。外部環境の不透明感はあるものの、欧州での堅調、ブラジル、インド等の懸念の後退、販売管理費の削減から、今期の連結収益は増益基調となりそう。

PER30倍の2000円処を中長期目標にしたい。

本日2つ目の銘柄はファーストリテイリング(東証二部、商業=9983)。

昨年12月に初の都心店「原宿店」をオープンしたが、入場制限をする位の活況。その効果もあってか、消費不況に拘わらず昨年12月の既存店売上高は前年比7%増。

経営改革も進み新たな成長路線に入りそうだ。当面、3000円を狙う動きか。



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