(3月5・12日分)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
なお、「ズバリ株」のチャートは過去3ヶ月分程度は、最近のものに差し替えてあります。

「大阪新聞」平成11年3月12日)


日銀の量的緩和は外人投資家にとって日本の景気回復の切り札と考えていたため、日本株の買い越し姿勢が強まった。節だった4千円台半ばを抜け、当面は一段高を期待。

本日はヤマハ発(東証一部、その他製造=7272)を注目したい。二輪車の世界的な需要は高成長市場であったアジアの経済危機が影響し、微減か横這いにとどまっている。しかし、欧州市場は四輪車の免許で125CCの二輪車に乗れる規制緩和の恩恵があったほか、利便性から順調。

また、アジアにおいても潜在的な需要は膨大だ。また、先月、企業価値を向上させるべくプロジェクトチームを設置、財務体質の強化やモーターサイクル事業の低収益性等の根本的な問題を解決していく方針。

同社は売上の約7割が輸出であり、最近の円安傾向はかなりのメリットとなろう。連結PER25倍の1100円処を中期目標とするが、1200円迄欲張りたい。

本日2番目の銘柄はジャパンエナジー(東証一部、石油・石炭製品=5014)。

原油価格がここ2ヶ月底打ち傾向を示しているうえ、一連のリストラ策がようやく内外の投資家に評価され始めたようだ。また、低位株物色の流れにも沿いそう。

更に、子会社のコンビニエンスストアであるAM・PMはさくら銀行とATM設置で提携、銀行業務を手掛け、顧客拡大に結びつきそうだ。


「大阪新聞」平成11年3月5日)

メディアで報道されたり決算説明会があった後に株価が反応している場合が最近多い。それは投資家がIRを重視している証であろう。

本日は地味ながら空港施設(東証一部、不動産=8864)を推奨したい。

同社は日本唯一の空港施設の管理、運営会社で不動産賃貸収入が売上の7割強だが幅広いサービスを展開している。日本航空、全日空が主要株主、顧客のため、不況産業のイメージと成長性が全くないように思われている。

しかし、東京国際空港(羽田空港)の新B滑走路が来年の2、3月頃完成する予定で、これに合わせた大きなプロジェクトも計画されているほか、昨年、六本木にオフィスビルを取得、空港外で初めて運営管理をも行っていく方針だ。

今期予想EPSは25円、配当は7円、BPSは520円もあり、時価は極めて割安の水準と言えるだろう。中長期目標を700円としておきたい。

本日2番目の注目株は再びファーストリテイリング(東証二部、商業=9983)。

先日発表された2月の既存店の売上高は前年比38%増、全店ベースでは61%増と絶好調で、更なる上方修正期待が高まった。好調な要因は昨年の失敗を教訓とした販売戦略の変更にあり、前年比プラスの傾向は暫く続きそうだ。

そのため目標株価を引上げて5500円近辺とする。



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※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。