(4月16・23・30日分)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
なお、「ズバリ株」のチャートは過去2ヶ月分程度は、最近のものに差し替えてあります。

「大阪新聞」平成11年4月30日)

外人、個人投資家の買い意欲は旺盛ながら、大型連休を控えて全般は動きにくい。

だが、この膠着商状は好業績、割安株の仕込みチャンスであり、本日は日本基礎技術(東証一部、建設=1914)を紹介したい。

同社は地味な会社ながらダムの基礎工事、道路の法面工事等の特殊土木に強みを持つ基礎工事の専業大手で、財務体質も良好だ。受注は前期をボトムに回復傾向にある上、過去最大の公共投資による経済対策の恩恵を相当受けよう。

更に、相次ぐ災害の発生で安全・防災対策に政府は今後力点を置いてくると思われ、収益は拡大基調を辿る可能性が大きい。来期予想のEPSが80円台に乗せるため、控えめに見てPER25倍の2000円、市場平均並みなら30倍の2400円が中長期目標株価となり得るか。

本日2つ目の銘柄は吉野家(店頭公開、商業=9861)。

消費、外食産業の売上が軒並み前年割れとなるなか、同社の3月の既存店は103%、4月は108%と好調に推移している模様。

けんちん定食メニューの定着、セール実施による顧客の増加、ダンキン事業からの撤退、多角化事業の堅実な成長に加えて、豊富な資金力を持つ点も魅力的と言える。西友グループへの資金支援や京樽の再建支援も特に悪材料となりにくい。

外食のコア銘柄として250万円を目標にしたい。



「大阪新聞」平成11年4月23日)

米国のハイテク株が一時的に急落、写真相場の日本も似たような値動きとなっている。だが、相場を冷静に見直す良い機会と考え、中長期で儲かりそうな銘柄を御紹介したい。

本日は福島県中心の中堅スーパーであるヨークベニマル(東証一部、商業=8188)を取り上げる。

前期から進めてきた諸施策が収益に寄与するようになったためだ。

具体的には、既存店のリニューアル(前期25億円投資)、還元セール等のイベントへの対応、食品を中心とした商品力の強化、利益率の低い衣料品の比率を引き下げる、販売機会ロス・値下げロスの低減、在庫管理の徹底化、ドミナントの形成といったもの。

足元の消費が一段と冷え込むなかで、強固な財務体質、マネジメント力の強さから同社の成長が続く可能性が大きい。

よって、来期予想連結PER35倍の5600円処が目標となりそうだ。

本日2つ目の銘柄はマースエンジニア(東証二部、機械=6419)。

CRタイプのパチンコ台用プリぺイドカードシステムの将来性に期待する。

これはカードのリサイクルや顧客データの総合管理が出来るので、パチンコホールにとっても導入メリットは大きい。後は御上の認可待ちで、発売となれば大ヒット間違いなさそうだ。早ければ今期、遅くとも来期か。

いずれにせよ株価は時価の倍化目標。


「大阪新聞」平成11年4月16日)

相場全体は想像以上に強く、かつ上手な循環物色となっている。そのため、押し目待ちの投資家はなかなか拾えないのが実状。

そこでじっくり値幅取りが狙えるリンガーハット(大証二部、8200)に注目したい。

北九州を地盤とする長崎ちゃんぽんの地味な外食チェーンで、消費不況の影響を受け前期の売上は微減。しかし、今期はチラシによる販売促進、長崎の角煮といった夕食メニューの導入、主力のちゃんぽんの増量やスープにこくを出す工夫をする等の諸方策を行う方針。

また、今期の業績は既存店売上高を前期比99%で想定しており、足元の状況、上記の理由から上方修正の可能性大。また、来期以降は安定路線から成長性を重視した戦略に転換、年間の新規出店数を従来の20店前後から一気に50店に拡大していく。

もともと財務体質は強固なことから、当面は計画通りに進行するとみたい。中長期目標株価は成長性の付加価値を付けて1500円。

2つ目銘柄は花王(東証一部、化学=4452)。

2月に発売した健康エコナクッキングオイルが久々の大型食品になりそうなほか、更なるリストラ効果が今期以降も出てきそうだ。株価上昇により割安感はやや乏しくなったものの、今後も内外の機関投資家が組み入れざるを得ない。

中長期では3500円が視野に入ろう。


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※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。