(10月23・30日分)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
なお、「ズバリ株」のチャートは過去2ヶ月分程度は、直近のものに差し替えてあります。

(「大阪新聞」平成10年10月30日)


金融システム問題が大方解決したが、国内景気は依然厳しく株式を買い難い地合いが続いている。しかし、個別銘柄で見れば業績面でも株価面でも底を打った感がある銘柄も出てきた。

本日はその代表的な2銘柄を紹介する。

一つ目は再びアドバンテスト(東証一部、電気機器=6857)。

今中間期は予想通りの大幅減収、減益となったものの、受注状況からは7月から9月がボトムとなるだろう。半導体市況が回復することで主力製品のT5581が回復する、次世代メモリーテスタのT5591やロジックテスタのT6682が堅調、デジタル放送用の検査装置が新製品として有望、国内よりも米国、欧州が予想以上に健闘、台湾での稼働率が上がってきた等の理由による。

よって今期連結予想EPSは220円、来期は350円となりPER25倍の8700円どころが中長期的な株価目標となりそうだ。

二つ目の銘柄はキャノンアプテックス(東証二部、機械=6421)。

コピー機の周辺機器(原稿処理、排紙、給紙装置)の世界トップ企業で、キャノンの子会社の中核企業とも言える。また、昨年末に国内2位のニスカを実質子会社化し、価格、販売力ともに強化された。

9月末に発行した公募株の需給悪化、円高による懸念で株価調整。だがPERは10倍、PBRは1倍と非常に割安。4桁の実力有り。


(「大阪新聞」平成10年10月23日)

海外市場の落ち着き、銀行への公的資金注入が大方決まり全体は戻り傾向。特に、大手銀行株、不動産株といった下げを牽引してきた銘柄群が急反発に転じた点は安心感を与えよう。

当面、リバウンド傾向が続き循環物色となろうが、ここでは割安株を徹底的に仕込みたい。

本日は富士通(東証一部、電気機器=6702)を買い推奨する。決算発表は23日であり内容を吟味する必要があるが、ソニー等と比較して収益の下方修正リスクが少ない。

何故なら、
@同社はドル建て売りと買いがほぼ均衡しており円高によるマイナスはない、
A不採算部門の汎用DRAM比率を2000年に50%に落しフラッシュメモリやロジックにシフトしている、
BICL、アムダールといった海外子会社の収益が黒字化したこと等から。



更に、情報化社会を控えて、情報通信・サービス部門に強みを持つ通信機メーカーの優位性がより高まるだろう。1600円を目標に押し目買いをしたい。

もう一つの注目銘柄はタカキュー(東証一部、商業=8166)。

9月は天候不順の影響で売上が落ち込んだものの、低価格、業界最速で出来るオーダースーツが好評で、ビジネス型店舗の売上増に寄与。カジュアル戦略も方向性が見えたことから同社の大変貌も近い。

BPSは506円、最低でもPBR0.5倍は可能。中期では300円挑戦か。


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