(2001年6月15・22日)

毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
※6月15日分のサカタインクスと大日本製薬の2001年3月期の業績を予想としましたが、実績値の誤りでした。お詫びのうえ訂正いたします。

(「大阪新聞」平成13年6月22日)

先週までは新高値銘柄が増加していたように、日経平均、ハイテク株、銀行株、通信株が下落しても、相場の地合は強かった。

しかし、今週にはいって買い材料がいっそう乏しくなり、さらには指数の下落が個別銘柄に悪影響を与え始めている。

やや注意しながら低PERの好業績銘柄を丹念に拾いたい。

さて、本日は呉羽化学(東証一部、化学=4023)に注目する。

近年、化学部門の収益回復が、同社の業績回復の立て役者となっている。なかでも、塩ビや苛性ソーダの採算重視の営業姿勢と徹底的なコスト削減効果が寄与。

一方で、利益率の高い医薬品事業は、抗ガン剤「クレスチン」の特許切れで低迷していたが、既存製品の販売強化と新薬の注力が徐々に成果を上げてきた。

とくに、慢性腎不全剤の「クレメジン」は細粒タイプの投入により売り上げが急増し、前期の66億円から今期は100億円超となりそうだ。

そのため、経常利益は今期75億円、来期には90億円超となりそうで、今後株価は上方修正期待を織り込んだ動きとなろう。

呉羽化学株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

150,988

5,358

4,155

2,528

11.6

01.3

145,311

6,272

4,700

1,704

8.1

02.3(予想)

152,000

6,000

2,700

12.9


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

85,752

3,187

3,003

1,297

6.0

5.0

01.3

85,950

4,115

3,720

1,554

7.3

6.0

02.3(予想)

90,000

4,700

2,200

10.5

6.0

本日二番目の推奨銘柄は、東洋化学(東証一部、化学=4210)

国内景気が悪化しているなか、同社の4・5月の売上高は会社計画を上回る好調ぶりだ。

とくに、光ファイバー・ケーブル用支持材や半導体固定用粘着テープが好調。

さらには、1円の円安(今期1$=110円を前提)で0.24億円の利益増かが期待され、予想PER15倍前後は割安感がある。


東洋化学株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

26,535

2,678

2,316

959

27.2

01.3

27,290

2,153

1,917

722

20.4

02.3(予想)

28,700

2,100

830

23.5


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

23,380

2,472

2,097

845

23.9

8.0
記念配当

01.3

24,026

1,997

1,761

676

19.2

6.0

02.3(予想)

25,300

1,950

760

21.5

6.0

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野村の証券用語解説集


(「大阪新聞」平成13年6月15日)

石油、プラント、電力、ガスと買われ、先週は商社まで物色の手が広がり、エネルギー関連株が大活況の様相を呈した。

しかし、日本株には本来のエネルギー関連銘柄は乏しく(新エネルギーなら話はわかるが)、今人投資家が狙うにはハイ・リスクすぎると思われる。

やはり、PERが低く、増益基調の安値を狙う、地道な投資スタンスが望まれる。

さて、本日はサカタインクス(東証一部、化学=4633)に注目したい。

前期は一部に会計基準上の変更があったため、前期と今期は減収予想となっている。しかし、その分をのぞいた実績ベースでの売上高は今期0.8%増、経常利益は今期49.5%増と、微増収・大幅増益となりそうだ。

それは、前期赤字だった米国子会社の収益改善(15億円程度)、経費削減効果、原料の仕入先の一つである東洋インキ(4634)との提携効果が期待されるためだ。

国内外の景気減速懸念はあるが、業績予想自体が控えめとなっており、安心感がある。

また、連結BPSは395円、今期予想連結EPSは36.7円であり、時価水準は極めて割安と思われる。


サカタインクス株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

166,251

3,320

3,155

1,892

30.2

01.3

136,000

3,312

3,388

▼453

02.3(予想)

100,000

4,100

2,300

36.7


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

59,792

2,118

2,264

1,069

17.1

4.0

01.3

60,859

2,978

3,340

315

5.0

5.0

02.3(予想)

59,000

3,500

2,000

32.0

6.0

本日二つ目の推奨銘柄は大日本製薬(東証一部、化学=4506)

主力の「ガスモチン」が好調で、今期の連結EPSは60円台乗せとなりそうだ。

また、合成抗菌剤の「ガチフロ錠」が今下期より販売が開始される可能性があり、中・長期での成長期待が強まるとみている。

時価から30%高目標。


大日本製薬株価詳報

連結

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

155,496

12,686

13,776

6,883

40.9

01.3

158,873

16,149

17,127

9,375

55.8

02.3(予想)

165,000

17,500

10,100

60.1


単独

売上高

営業利益

経常利益

利益

1株利益

1株配当

百万円

百万円

百万円

百万円

00.3

142,435

12,001

13,341

6,734

40.0

8.5

01.3

145,905

15,524

16,673

9,354

55.6

8.5

02.3(予想)

152,000

17,000

10,000

59.5

8.5


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