毎週金曜日に八丁堀克美が「大阪新聞」に発表している推奨銘柄を、まとめて掲載しているコーナーです。ここで発表するものは、中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。 |
(「大阪新聞」平成10年9月18日)
相場全体は依然不安定な状況に置かれている。収益の下方修正、世界的なデフレ懸念が強まる中、株式を積極的に買う理由は今のところ見当たらない。
ここは、割安株を丹念に拾う局面と考える。
本日はダイキン(6367)に再び注目する。
景気後退、天候不順でエアコンの販売台数は計画より若干下回り、売上高の下方修正は免れないだろう。しかし、売上高ではわずか17%の化学部門が絶好調。同社のフッ素化学製品はデュポンに次いで世界シェア第二位で、一般機械、電機機械、半導体等あらゆる用途に使用される。更に、カーエアコン用冷媒、電極材料、磁気記録媒体潤滑油ほか、新たな使
用先を模索する方針。アメリカ、中国等海外子会社10社、15拠点に及ぶグローバル展開を推進。同部門は連結営業利益の約60%を稼ぐ収益の柱であり、経常利益は当初見込みを確保する予定。今期連結EPS45円、来期48円から見た中期目標株価は1200円か。本日2番目の銘柄はノーリツ(5943)。
足元は住宅着工件数の落ち込みで苦戦続いている。
しかし、同社は今迄の経営拡大志向を改め、設備投資の縮小、人員の削減、物流の合理化等、本格的リストラに着手。景気対策としての住宅関連減税、金利低下を加味すれば収益回復力は高いと思われる。
(「大阪新聞」平成10年9月11日)
世界同時株安のリスクは当面回避出来た模様であるが、日本株は景気の悪化、収益の下方修正、そして大幅な円高と取り巻く環境は一向に改善しない。需給関係も良くなく、暫らくは不安定な相場展開となりそうだ。
そんななかで本日はしまむら(8227)の押し目買いを推奨したい。
既存店売上高は3月から前年比プラスが続き、天候不順の8月も0.1%増となったように消費不況の下での健闘が目立つ。また、極めて低コストで建設出来るのを生かし、今期、来期と年間70店ペースでの新規出店を目指し売上増を図るほか、埼玉県桶川、北九州に物流拠点を新設し効率化を一層推進する方針だ。大手スーパーが苦戦する実用衣料は、価格、品揃えの両面で同社の優位性が目立ち、今後の業績は着実に伸びるだろう。
今期経常は前期比30%増、EPS125円、来期は同20%増、EPS155円が期待され、PER35倍超の5500円辺りを目標にしたい。
本日2番目は窯業外壁材最大手のニチハ(7943)を推奨する。今
期の経常は前期に続いて大幅減益の25億円にとどまる見通し。しかし、住宅着工件数が現在ボトム圏にある、限界利益率が高い、株主重視の経営方針を貫いていることなど、大いに評価したい。バリュエーションからは1200円が妥当と考えるが。
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