(2002年6月17・24日)
八丁堀克美が推奨銘柄を掲載しているコーナーです。ここで発表するものは中期保有で値上がりが期待できる銘柄です。
(平成14年6月24日)

今週はサミットにたいしマーケットの期待はほとんどなくなっただけに、逆に目先の株価反発材料となるか注目したい。

政策に対する失望、信用の投げ、株価下落による銀行株への不安、米国株・ドル安不安など、日本株を取り巻く環境は急速に悪化している。

しかし、いずれも現在であれば修復不可能な問題とは思えず、現状の株価水準では過度の悲観になる必要はあるまい。

また、米国企業に対する不信感の高まりから米国株式市場の下落は続くが、マクロの堅調、政府の対応などによってどこで下げ止まるか、その水準を探る局面に来つつある。

さて、今回は紀文フードケミファ(東証二部、食品=4065、千株)に注目する。

同社は2003年3月期、2004年3月期と過去最高益を更新見込む。6期連続で、2003年3月期の会社予想は飲料事業の収益を控えめに見ており、上方修正期待もある。

主力の飲料事業は、健康志向、高品質、美味しさも受け入れられ、マーケットが拡大。

さらには、トップシェア、高品質から豆乳の受託充填も増えており、同事業で安定的な利益を確保。

一方、化成品事業は、ヒアルノン酸が拡大傾向。ヒアルロン酸は化粧品などの保湿剤として、動物性由来のコラーゲンなどと比べ安全性が高く需要が拡大している。米エイボン社が主な顧客だが、P&G社等との商談を進めている。

また、健康食品原料として、大手のFA社やDH社にも採用され、急拡大が期待される。


紀文フードケミファ株価詳報

単独
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
01.3

14,551

961

903

173

7.6 5.0
02.3

15,446

1,371 1,314

642

26.0

10.0
03.3(予想)

15,800

1,450

700

26.4

10.0

本日二番目は、サンドラッグ(東証二部、商業=9989、百株)

同社の
5月の既存店売上高は4月の落ち込みをカバーし、前年比0.9%増と回復。

今期同社の計画は既存店前提を前年並みとしており、立ち上がりとしては無難だ。

ドラックストアは出店攻勢、提携等の再編加速、値下げ競争等、環境面では明るく見えないが、市場拡大余地は大きいと考える。


サンドラッグ株価詳報

連結
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
01.3

75,233

5,675

5,857

2,912

173.4
02.3

90,602

6,660

6,869

3,488 207.8
03.3(予想)

108,670

7,940

4,190

249.5
単独
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
01.3

74,515

5,677

5,873

3,021

179.9 30.0
02.3

89,961

6,615 6,837

3,467

206.5

30.0
03.3(予想)

108,000

7,920

4,170

248.3

30.0
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野村の証券用語解説集


(平成14年6月17日)

某研究所では、日経平均株価1万1,000円割れで下限値到達・ほぼ底値圏、米国株もほぼ底値圏と見ている。

短期的には大方、その通りであろう。ただ、政府の追加デフレ対策には資産デフレ対策が見当たらず、税制改革は増税・中立の方向性(経済活性化策が見当たらない)であることから、日本経済の構造問題がどこで噴出するかが懸念材料となろう。

また、4〜6月の決算発表時の7月が底入れのタイミングになると想定して向きもある。しかし、下期にかけてV字型回復がさらに強まるのか、むしろ不安でもある。

よって、現在の投資対象としては、好業績・低PER、安定業績・高利回りの銘柄群、ディフェンシブ・セクター、中低位の業績回復有配銘柄群が有効であると見る。

ということで、今回はまず幸楽苑(東証二部、商業=7554、五百株)に注目する。


同社は、7,000億円前後の巨大市場(ラーメン業界の市場規模)のなかで、業界内でガリバー企業になることが目標、高成長の福島地盤の会社だ。

足元の既存店売上高はプラス(4月12.7%増、5月12.9%増)を確保、この6月で12ヶ月連続プラス(外食産業は5月までで54ヶ月連続のマイナス、ワールドカップの悪影響を今のところカバー)。

好調な要因は自社工場で作った材料を使用しているほか、総額3億円かけたシステムの運用成果で効率的なマネジメントが可能となり、低価格で美味しい味を実現し、また幅広い顧客層に対応したラーメンを提供出来るようになったためだ。

5月末現在の総店舗は143店。今期は23店、来期は30店前後の出店計画で、5年間の平均成長率年率30%を目指す。

また、知名度向上のため、東京ではビルインタイプ(従来は郊外型大型店主力)の店をFCで5年間に100店出店する方針。今後、この方針の成否が気になるところだが、100店は無理としても一定の成果が上がると判断している。外食セクターの成長株として注目したい。


幸楽苑株価詳報

連結
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
01.3

10,183

649

672

262

50.9
02.3

12,646

947

1,029

530 79.0
03.3(予想)

14,980

1,300

680

65.8
単独
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
01.3

9,538

689

744

337

65.4 15.0記念配当
02.3

12,053

925 1,037

538

80.3

20.0記念配当
03.3(予想)

14,300

1,290

680

65.8

10.0

今回二番目は、伊藤園(東証一部、食品=2593、百株)

同社の2002年4期の連結は6.2%の増収、4.3%の経常減益となり、マーケットから失望を受けた。

減益の主な要因は競争激化による販売手数料の増加、3月の暖冬、米国子会社の立ち上がりの遅れだ。

2003年4月期
の会社側想定は、売上高で7%増、経常利益で5..3%増、主力の「お〜いお茶」の販売数量は5.2%増、飲料全体の販売数量は8.8%増。

昨年から各社がお茶飲料を相次いで発売。マーケット全体のパイは着実に広がったが、
シェア2位のキリン「生茶」でさえ前年比9%減。シェアトップの同社が快走。

また、販路対策では自販機市場の活性化を、経費削減にも本格的に取り組んでおり、利益面での会社予想はやや控えめのように思われる。

マーケットコンセンサスは同社計画に懐疑的になろうが、そこがチャンスとなるのではないか。


伊藤園株価詳報

連結
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
01.4

192,709

15,666

15,068

8,017

175.8
02.4

210,520

15,820

8,020 175.8
03.4(予想)

230,000

17,500

9,500

208.3
単独
売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
00.4

171,628

13,788

13,317

6,320

138.6 35.0
01.4

190,242

15,185 14,598

7,852

172.2

40.0
02.4(予想)

207,500

15,900

8,300

182.0

40.0
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