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【投資戦略】

最終更新日:2003年7月7日

平成15年7月の投資戦略

(平成15年7月3日)
活況の6月の株式市場


 6月の日経平均株価は9,000円の大台を回復して引けた。


 物色意欲は旺盛で、東証一部の6月の売買高はいずれの日も10億株を超える商いとなり、月間平均売買高は15億5,000万株強(今年1月からの平均売買高も9億7,000万株強)と大活況だった。


 また、3市場の信用買残高(6月20日現在)は1兆円を回復した。


 公的資金注入によるりそな銀行への救済劇が低位株物色の大きなきっかけとなったが、ルック、新電などの仕手系材料系株の上げが目立ったことも追い風となって、個人投資家の売買の活況が続いている。


 4月以降買い越しを続けている外人投資家は国内の機関投資家の戻り待ち売りを吸収していることから、需給が改善。一方で、株価の上昇や米国の利下げ幅が0.25%と小幅にとどまったのを受けて長期金利が上昇、6月30日には一時0.875%までつけた。


米国の株式市場に注目


 今後の注目点はやはり米国株式市場の動きだろう。


 イラク戦争の早期終結、SARS問題の終息、それに伴うハイテク景気の回復、そして相次ぐ金融緩和、ドル安・ユーロ高、円高が米国株価を押し上げている。


 株価の上昇で消費者信頼感指数も上昇、米国経済の本格回復にたいする期待が出てきたようだ。


 しかし、設備稼働率は製造業全体で74.3%(5月)と低く、近く発表される企業業績(4〜6月期)の見通しや企業経営者のマインドもそれほど楽観するような内容ではなさそうだ。


 そのため、今まで日本株を牽引した米国株の上昇やイコール外人投資家の日本株の大幅買い越しを今後も望むのは、若干無理がありそうだ。


日本の景気は?


 一方で、日本の足元の景気指数(5月の鉱工業生産、失業率、サラリーマン消費支出、6月の都市部消費者物価など)は依然として厳しいように見える。


 しかし、実際は日本の景気はどうなのだろうか。


 りそな問題の解決(先送りながらも)で当面、金融不安は遠のいたし、設備投資は大企業中心に底打ちから増加傾向へ、消費も大きな落ち込みはない。


少なくとも、株式市場の動きは、日本経済を悲観的には考えていないようだ。


株価の下押しはないのでは


 3月末から6月末までのわずか3ヶ月間で倍以上になった銘柄は120を超えており、また東証一部全銘柄の予想PERは19.31倍、PBRは1.37倍、予想利回りは1.29倍(6月30日現在)であり、現状の株価水準に絶対的な割安感があるとは言い難くなりつつある。


 とはいえ、日銀の金融緩和継続、9月の自民党総裁選挙や来年の米国大統領選挙を睨んでの政策対応を鑑みると、しばらくは株価の下押しはなさそうだ。


今後の株式市場


 以上のことから、今月は投資かの相場観や投資マインドは揺れそうだ。


 ただ、日経平均株価は8,800円台を抜けたことで、今度は9,300円から9,700円どころの多くのテクニカル上のフシを試す展開となるだろう。


 物色は幅広く見直される局面が続くと思われるが、上方修正期待銘柄を中心にバリュエーションン重視の姿勢を貫きたい。

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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