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【投資戦略】
最終更新日:2003年8月7日
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(平成15年8月3日)
平成15年8月の投資戦略 |
一時1万円まで上昇した株式市場
7月8日の日経平均株価は一時、1万0027円60銭まで上昇し、昨年8月下旬以来の約10ヶ月ぶりに1万円の大台を回復した。
日銀短観で大企業製造業の業績が大幅に改善し、第1四半期の決算もよかったこと、また世界的な金融緩和を背景に米国株をはじめ世界の株式市場が上昇し、日本株に外人の大量買いが入ったほか、個人投資家の売買も連日活況で東証1部の売買高は(7月22日を除き)10億株を超える商いが続いた。
ただ、月半ばには4月安値からの急ピッチな戻りにたいする警戒感から、日経平均株価は足踏み状態になっている。
とはいえ、中国関連株や上方修正・好材料発表銘柄を日替わり的に探す動きが出るなど、循環物色がうまくいっているようだ。7月の月足は99年以来4年ぶりの陽線となった。
今後の注目点
足元は急騰後の日柄調整局面を迎えているものの、8月半ば以降は相場の方向性を見極める展開となろう。
それには米国景気が今年後半に本格回復を見せるかどうか、それとともに鉱工業生産などの指数から日本経済の回復度合いを確認することとなろう。
さらには、民主党と自由党が9月末までに合併することで合意し(事実上民主党が吸収)、自民党総裁選挙から衆議院解散・総選挙の思惑が強まるなかで、株式市場でも政治から目が離せなくなってきた。
小泉首相は郵政民営化という政権の柱を掲げ、改革への強い意志を示すとともに、小泉VS抵抗勢力という形で高い支持率を維持しているように思える。
しかしながら、国民の多くは現在の経済政策に対して不満が鬱積。また、道路懇談の問題が膠着状態となっている点や牛肉のセーフガード発動に見られるように、構造改革は依然として進んでいないと考えており、支持率ほど政権基盤は安泰ではない。
4民主党が合併によって「現実的なマニフェスト」を打ち出すことで経済界の支持を取り付け、無党派層の取り込みに成功すれば、一気に政局が流動化する可能性もある。
この流動化は、「代わらない日本」から「構造改革に取り組み始めた日本」への期待が強まって株式市場は嫌気するよりむしろ好感、日経平均株価は1万2,000円へのきっかけになるかもしれない。
今後の株式市場
7月末から発表されている第1四半期の決算は、コスト削減効果やリストラのさらなる強化、そして中国・アジアの拡大を受けて、おおかた今のところ好業績となっている。
富士通や東芝のように一部の主力企業の業績はコンセンサスを下回り、株価は失望安となっている。が、あくまでも個別企業の経営問題であって、4月のソニーショック安のようにはならないと思われる。
しかし、来期の業績が増収・増益となる確信は未だ持てそうもなく、先の「金融相場」から「業績相場」へ移行するのは難しい。
よって、今月もバリュエーションを重視した選別投資を心がけたい。そのなかで、業界再編が進み市況回復が鮮明な鉄鋼や非鉄セクター、中・小型の高技術型企業などを狙いたい |
※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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