八丁堀克美の株式勉強会
【投資戦略】

最終更新日:2003年12月7日

(平成16年2月5日)


平成16年2月の投資戦略

1月の株式市場



 1月の株式市場は世界的な株高を受けて、概ね堅調だった。


 20日には朝寄りの外国人買い越し株数が昨年10月20日以来の高水準となったこともあって、日経平均株価は1万1,193円と昨年10月20日につけた昨年来高値1万1,161円を一時上回った。しかし、国内勢の売り基調が強まったため、終値ベースでは高値更新とはならなかった。


 売買代金は連日1兆円を超えるような活況が続いたものの、月末にかけてては上値の重さが意識されたほか、円高懸念、自衛隊派遣問題、UFJへの金融庁調査報道、そして第3四半期の好決算にもかかわらず日本および米国市場で利益確定売りが目立ったため、日経平均株価は1万0,700円台後半で引けた。


 一方で、店頭平均株価は1月27日まで21連騰して上昇、バブル期である1989年に次ぐ連騰を記録した。


2月のG7


 2月の金融市場の焦点は、6日から2日間開催されるG7だろう。


 現状は、ドルの穏やかな下落を事実上容認している米国政府と、過去最高額のドル買い介入で急激な円高を抑制している日本当局の微妙なバランスが、結果的に米国好景気の持続と輸出好調で日本の景気回復・株高まで支えている構図だ。


 一方で、その循環のあおりを受け、通貨高で輸出減速にある欧州当局とどのような妥協点がはかれるかが、ポイントだ。


高騰する商品相場


 昨年から商品相場の高騰が続いている。


 ドル不安や一次産品の供給不足、北京オリンピックを前に高成長している中国の需要急増という側面もあるが、世界経済がデフレから脱却し力強い成長を遂げている点が結果的に商品高にもつながっている。


 また、商品市況の上昇は、資源・エネルギー国(ロシア、中近東諸国)の経済回復を支える。米国、中国、アジアに資源国の好調が加われば、世界的な好景気の長期化もあり得よう。


量的緩和を維持する日銀


 国内では先月、日銀は量的緩和拡大を決定し、日銀総裁は物価上昇率が安定して0%以上になっても金融緩和を続ける可能性を示唆した。


 日銀のこのスタンスと昨年10〜12月のGDP(18日発表予定)は日本株投資にたいして安心感を生もう。


 また、なによりも内需型大企業の資産効率が改善している。リストラと負債圧縮の成果などによって、構造的に日本企業の収益が回復している点に注目したい。さらに、来期は増収効果が寄与しそうだ。


銘柄選択の視点


 ユシロ化学工業(5013)とソトー(3571)の買収劇およびその対応策などは今後、銘柄発掘をするうえで大いに参考になる。


 両銘柄は1月純資産が時価を大きく上回っていた。このように資産にたいして株価の評価が低い(実質的なPBR1割れ)銘柄は依然として多い。持ち合い解消が進捗するなかで敵対的な買収会費の対応策として、増配や自社株会などがおこなわれる(結果的に株高となろう)動きが強まりそうだ。


 以上のことを鑑みれば、国内金融機関の保有株圧縮などの需給圧迫要因はあるにしても、日本株にたいして中・長期強気スタンスで臨みたい。


 デジタル家電の普及本格化で恩恵を受ける企業群、内需型の低位株、中国関連株も有望と判断している。

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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