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【投資戦略】
最終更新日:2004年7月11日
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(平成16年7月4日)
平成16年7月の投資戦略 |
6月の株式市場
6月に入ってまもなく、株価指数先物にまとまった売りが出たのを機に、裁定解消売りにともなう現物売りが広がり、日経平均株価は1万1,000円割れ寸前までさげた。
しかしその後、米国株式の上昇を好感株価は急騰し、また原油価格の安定や先物主導で株価は続伸し、日経平均株価は1万1,500円台を回復した。
6月の第3週目には、米国の金利引き上げが小幅にとどまるとの安心感と、米国株式が上昇したため、日経平均株価は1万1,641円と戻り高値を更新した。
その後続落したものの、4〜6月期法人企業景気予測調査で、大企業の景況判断指数の先行見通しが改善傾向にあることや製造業の平成16年度設備投資が大幅に伸びる見通しになったこと、また日銀短観での景況感の上ブレを期待する動きが広がったため、日経平均株価は1万1,780円と大幅な上昇を見せた。その後、6月の日経平均株価は1万1,800円台で引けた。
株価上昇の理由
株価上昇の要因は、懸念要因が薄れたこと、また日本経済のファンダメンタルズの好調が底流にあったためだろう。
懸念材料の原油価格が急落したことにくわえ、米国の金利引き上げが米国景気を大きく損なうものではない、との観測広がった。さらには、日本の景気や企業業績への期待が株価上昇の支えとなった。
7月1日に発表された日銀の短観をみると、企業の景況感は一段と明るさを増してきている。
大企業製造の業況判断DIは+22と、前回調査よりも10ポイントも上昇、13年ぶりの高水準となった。とりわけ、回復の遅れていた中・小企業製造業が▼3から+2へと91年以来のプラス転換となった。景気回復が大企業から中・小企業へと広がっている。
また、消費も堅調な動きを示し始めた。5月のサラリーマン世帯の消費支出は実質で前年同月比5.6%増加した。伸び率が2ヶ月連続で5%を超えるのは14年ぶりのこと。
他方で、企業業績の見通しは、今期も経常利益で2桁増し、かつ最高益更新の見込みだ。しかも企業収益料を示すROEは今期9%台に乗せ、バブルのピークを上回りそうだ。すなわち、企業収益が増大したことで株価水準をはかる日経平均株価のPERがいまだに17倍台後半と低倍率にあり、このことも投資家に安心感をもたらしている。
今後の株式市場
日銀短観の見通しでは、大企業の製造の判断が+21と1ポイント低下し、また同セクターの設備投資計画が上期の42%増にたいして下期がわずか3%増と大幅なダウンとなっている。記号経営者が景気の先行きにたいして警戒感を抱いている証左だろう。相場は、下値は底堅いが、上値には慎重な見方が求められる。
こうしたなか、東証二部指数はすでに年初来高値を更新し、約13年ぶりの高値圏に躍り出ている。
また、ジャスダック平均株価も高値に王手をかけたうえに、7月1日の売買代金が今年最高を記録した。
以上のような懸念材料はあるものの、日銀短観が良好だったことや米国に利上げが穏やかものにとどまることを鑑みれば、テロという非常事態さえない限り、当面は好環境が続くことになるだろう。よって、今後数ヶ月は、株式市場にたいして強気で行きたい。
銘柄選択の視点
現在新興市場が絶好調だ。個人投資家はマクロの変動に左右されやすい東証一部の主力銘柄を避け、旺盛な物色が中・小型株に向かっている。
さらには預貯金からリスク資産である株式投資へのおカネの流れを振り向けようとする金融一体課税が検討されている。これにより個人資産の一部でも新たに株式市場へ流入してくるなら、その影響は計り知れないものがある。
個人投資家主導の個別銘柄が、今後の株式市場のポイントだと思われる。 |
※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
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