6月の株式市場
6月の株式市場も5月に続いて厳しかった。世界的な株価の下落や商品市況の急落、ドル安等の影響も受け、日経平均は6月14日に14045円の安値を付けた。新興市場の急落
にやや遅れての主力株の大幅下落で、多くの投資家は傷付いた。個人投資家の一部は昨年の益を上回る含み損を抱えた、とうの噂も出ている。
しかし、6月半ばの急落から徐々に落ち着きを取り戻している。金利上昇による世界的な景気後退懸念の解消、米国株の落ち着き、商品市況の反発等が追い風となってい
る。
現在の市況
とはいえ、売買代金は2兆円を下回るような低水準である。日経平均の上値の重さが意識されてくると、戻り待ちの売りや投げが出て、株価の動きは鈍い。また、物色意
欲も盛り上がらず、人気が続かないような、日替わりメニューにとどまっている。
今後の株式市場
日銀のゼロ金利解除による悪影響を懸念した向きや朝鮮のミサイル発射、米国の政策動向などを睨んで、全般的には様子見商状となっている。しかし、朝鮮問題は今のと
ころ経済的には大きな影響がない、現時点で金利上昇は悪影響ばかりでない、日本のファンダメンタルズは堅調、株価下落によって日本株の割高感は解消しつつあることから、5、6月のような急落、ショック状況を想定することは必要ないのではと思われる。1万5000円前後は再び打診買いを入れる局面に入った、と考えてもいいのでは、と思われる。
ただし、物色動向には注意必要になりそうである。ここでは、商社、銀行、鉄鋼、非鉄等のセクターを主力にしたい。バリュエーションが相対的に割安な他、再編期待、
収益の堅調を評価するためである。割高と思われるセクターはなるべく、避けたいのが本音である。新興市場もすぐには成果が出にくいが、銘柄選別期に入ったようだと思われる。
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