八丁堀克美の株式勉強会
【投資戦略】

月1度発表している投資戦略です。ご自身の投資方針の参考としてご活用いただければ、幸いです。
最終更新日:2006年8月9日

(平成18年8月8日)


平成18年8月の投資戦略

7月の株価急落


 7月も厳しい下げに見舞われた。日経平均株価は1万5500円台の半ばでスタートしたものの7月18日には1万4437円24銭をつけ、6月の安値(ザラ場ベースでは1万4045円53銭)を割り込まなかったものの、大きく値を下げた。くわえて、個別銘柄の下落は加速してしまった。とくに、信用期日の到来を控えて、7月27日にはジャスダック平均株価、東証マザーズ指数、大阪のヘラクレス指数の3つの指数は年初来の安値をつけてしまった。


 マザーズは年初来高値から60%、ヘラクレスは57%の下げであり、指数がこれだけ下げると、個別銘柄はさらに厳しい状況となった。


 中東情勢の緊迫化から原油市場が再び高値トライ、金利上昇懸念と景気後退という微妙な経済情勢に米国経済が入るのでは、という懸念が一段と市場のセンチメントを悪化させてしまった。いまや、経済、株価は、米国、日本、新興国が一体化しており、どこかの市場が下落するとその影響が懸念されるようになる。とくに日本株の上昇を昨年支えていた外国人が売り超になると、新興3市場で痛手を負った個人投資家が動けず、日本株の買い手が不在になってしまう。北朝鮮問題やドル安リスクなどに過敏に反応してしまう相場であった。


8月の株式市場


 さて、8月相場は夏期休暇ということから市場参加者はやや限られたものとなるであろう。また、悪材料は完全に織り込まれていないであろうし、また様々な不安材料が今後も見え隠れするであろう。


しかしながら、足元の企業決算(重荷第1四半期の決算が発表されている)の内容は予想よりもいいように思える。日経新聞社の集計でもその事実が報道されている。円安効果はあるものの競争力の強化、シェアアップ、コスト削減、国内外の設備投資増加の恩恵、もともと控えめな予想であったこと、不動産価格の上昇、エネルギー価格の上昇などさまざまなプラス要因があり、エネルギーコストの上昇などを今のところカバーしている決算内容であった。


 ただ、足元はこれらの好決算に一時的に反応するものの長続きせず、ファンダメンタルズを評価する前に、需給関係の悪さ、市場センチメントの悪さが目立っているようだ。


今後の投資スタンス


 だだし、冷静に見てみると、たとえば急落した新興市場株の予想PERが20倍前後にまで売られるなど、中・長期スタンスで見ると株価下落によって投資指標面からかなり株価の割安感が目立つようになってきたように思われる。


 確かに、下方修正される銘柄、とくに中小型株や新興市場株の下方修正が目立つが、下方修正された要因や一時的な収益悪化か、それとも本質的なもので長期で収益が悪化しそうか、を見極めることがそろそろ必要なのではないか、と思われる。なぜなら、下方修正などを見込んで株価が先行して下落したものも見られるからである。


 悪材料出尽くしとなるか、またはならないか、一つ一つファンダメンタルズを確認して、投資するか、売却するかの時期に入ってきたといえそうであり、マインドは最悪ながらも、底入れを期待したい。

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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