これまでの株式市場
昨年の11月後半から一気に戻し、昨年末の日経平均は1万7225円となり、年間の上昇率は約7%、4年連続の陽線で終わった。今年の大発会(1月4日)も日経平均は127.84円高を演じ、幸先の良いスタートとなったかに見えた。しかし、5日は262円安、9日は戻ったが、10日は295円安と急落し、市場関係者の年初の見通しが総じて強気だったこともあり、予想外とも思われる足元の株価下落となった。
とはいえ、昨年11月27日のザラバ安値15615円から1月4日までの上昇過程で、各種テクニカル指標が過熱していた点を鑑みれば、健全なる調整局面ともいえそうであろう。
今後の株式市場の見通し
さて、今後の見通し(1-2月)であるが、大方の予想と同様に、筆者も日本株に対して 強気に考えたい。
ただ、この1月は調整局面、すなわち仕込み場と考えている。その要因の一つは「利上げ」。今月の日銀金融政策決定会合は17日、18日に開催される予定だが、ここで日銀は利上げに踏み切るのではないかと思っている(可能性は5割強か)。
国内の景気動向だけを見れば、とても利上げなど思いつかない。しかし、世界を眺めると、利上げを早急にしないと日銀は、今後苦しい立場になるのではないか
と懸念されるのである。円キャリートレードは世界的な株高、商品高、円安などのメリットを生み出しているが、例えば韓国のマンション価格が年収の11倍にもあるよう
な「バブル」という副作用も生んでいるようだ。この状況が長引けば長引くほど、その後の反動は怖いというのが本音のようだ。そのため、国内景気が堅調な今が好機と
なるのではないだろうか(1月になければ2月か)。
やや前置きが長くなったが、利上げとなれば、多少のショックはありそうだ。日経平均ベースでは16500円前後を目処にして、ここでは、年末までに急伸ていた鉄鋼などの突っ込みを拾い、化学、繊維の素材株の押し目狙いと、当面は銀行株などでしのぐという戦略を筆者は考えている。
3月期決算企業の第3四半期決算が出てくる来月には、再び日本企業の好決算が確認されることとなり、また3月の配当取りに向けて、堅調な動きとなるのではないか、という予想をたてている。
そこではようやく循環物色が見られるのではないだろうか。そのため、出遅れ株等の水準訂正が見られるのではないだろうか。
本年の見通し
最後に、年間の日経平均の見通しだけ述べる。安値はこの1月、高値は6月か7月で、水準は1万9500円程度を筆者は想定している。
|