3月の株価急落
上海の株式市場下落から始まったといわれる(きっかけは色々あるだろう)2月末の世界の株式市場の急落は、市場関係者の想定以上であったようだ。「円借り取引」の手仕舞いの動きが急激な円高・ドル安を誘発、質への逃避懸念が短期的に強まったようだ。その後は、為替市場の落ち着きから、日米の株式市場ともに下落に歯止めがかかったように見えたものの、14日には再び日経平均は500円以上下げる局面があった。米国のサブプライムローン最大手が事実上の経営破たんに陥ったことや、米経済指標の弱めの数字発表を受け、再び、米株式市場が急落、円高、日本株安につながってしまった。
円借り取引
ある試算によれば、円借り取引の総額は20兆円程度。1日70兆円程度といわれる為替取引高(世界)からみれば、かなり大きい金額に思えるし、また、サブプライムローンの延滞率は12%強とのデータも出ていたようだ。これらの大きさを見れば、膨大な資産規模となっているヘッジファンドや米国の金融機関が一体、どうなるのだろうか、という不安も出てくるところだろう。
現在の株式市場
しかし、昨年9月に天然ガス絡みでヘッジファンド大手が破綻した時の影響は限定的だったように思えるし、米国経済のファンダメンタルズは依然として堅調と思われる。もし、これらの問題で米景気に重大な変調が見られれば、利下げ余地も生まれるであろう。日本を見ても、底堅い景気、企業業績、それと、下がれば買うスタンスの投資家も多いようで、ここからの下落余地はそれほど大きくないように思われる。日経平均でみれば、200日移動平均線の少し上の水準が下値の目処ではないかと予想している。
スタンス
下落時の物色スタンスは、あまり変えなくていいのではと思う。鉄鋼株、商社株等の業績好調、予想PERが低い銘柄の突っ込みを買いながら、出遅れがありそうな通信、小売等の銘柄を狙ってみたい。
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