最近の株式市場
2月下旬の世界同時株安ショックから、1ヶ月以上経過したが、日本株は未だ本格的な立ち直りを見せていないようだ。史上最高値を更新する上海株をはじめ、サブプライムローンにゆれた米国市場もFOMCの声明文をきっかけに底を打ち、4月11日現在(日本時間)、NYダウは8連騰となっているのにもかかわらずだ。
新年度入りした日本の株式市場の問題点と今後の展開
では、新年度入りした日本株式市場は何が問題なのだろうか?
まず、日本の景気拡大は続くのかどうか、徐々に否定的な見解が増えてきたことが重石となっているようだ。4月2日に発表された日銀短観の大企業DIや2007年度の収益計画は想定より弱めであったようだし、内閣府は2月の景気動向指数を受けて、景気の判断基調を下方修正したし、2月の機械受注も市場予想を下回るなど、景気に対する弱気材料が増えてきた。
問題点の二番目はやはり、株式の需給関係かもしれない。3月の外人投資家の買い越しは、同時株安の影響から一時的に鈍ったほか、新興市場で個人投資家は壊滅的な打撃を受けている模様で、全般的に上値を買う投資が少ないようだ。そのため、上値は重くなり、短期的な先物売買動向、値動きに左右されやすいようだ。
3番目は、株価水準にありそう。東証1部全銘柄予想PERは22倍超(日経新聞より)となっており、割高感はないものの割安感もないとの見方もあろう。確かに、中小型、新興市場と比べて、圧倒的に業績の安定感、そして安心感はあるものの、ここから株価が大きく上昇する期待があるかどうかと考えると、買い意欲が減退するようである。
さて、これらの問題点の方向性がはっきりしないなか、今後の注目点は3月期の決算発表だ。月末から本格化する。2008年3月期の見通しは予想以上に慎重な数字が出そうだという見方が多いようで、内容を見極めたいところであろう。
銘柄選択の視点
色々、述べてきたが、結論は、中長期で強気、押し目買いのスタンスで臨みたいという考ええは変わらない。特に、主力株については足元の上昇から割安感が消えてきていると考え、中長期のスタンスでじっくり買いたい、株価を見極めて臨みたいところだ。
そのため、物色の圏外にある中小型株の成長株をここからは見直したい。セクター判断は先月と比べて、特に変化はないように思える。ハイテク物色はあくまでも一時的、季節的要因と思うので、ウエイトは比較的少なくと考える。
最後に
私見だが、アジアなどの新興市場国投資が人気化しているようだ。しかし、2倍、3倍、…倍にもなっている銘柄や市場に投資する勇気は筆者にはまるでない……。
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