(平成16年6月21日)
今回は、サンリオ(東証一部、商業=8136、百株)。
サンリオは株式運用などから撤退、借入金の返済(有利子負債残高は106億円の減少)が進み、本業の収益も回復基調にある。
2004年3月期の売上高は5%減だったが、営業利益は倍増の43億円、経常利益は黒字転換の24億円、当期利益は同53億円となった。業績改善の主要因は、海外製造比率の引き上げと円高による原価率低減、およびコスト削減だ。
店頭売上高(直営、百貨店内ショップベース)は既存店96%、全店ベースで102%とやや低迷しているが、ハローキティ30周年の1年前であることや、直営店のスリム化を進めていたためだ。
ただし、四半期ベースでみれば、既存店は第1四半期92%、第2四半期96%、第3四半期98%、第4四半期100%
と回復基調だ。懸念材料だったテーマパーク事業(サンリオピューロランド、ハーモニーランド)の営業損益がともに黒字化した。2005年3月期の売上高は横ばいの1,043億円、営業利益は40%増の60億円を見込む。
ハローキティ30周年の様々なイベントによる売上増加、第2のキャラクターとなった「シナモンロール」(キャラクターの中での構成比率は14%)の育成、ライセンス事業の強化(シナモンのライセンス開始)、米国の収益改善など海外事業の強化などを進める方針だ。
とくに、30周年関連では、「リボンストーリー」によるサンリオの企業メッセージの発信、限定グッズの販売、ショーイベントの開催、新たなコンテンツの製作などをおこなう。
ハローキティの人気継続、海外での展開拡大期待、キティとシナモンに次ぐ第3の超人気キャラクターの育成への期待、テーマパーク事業の更なる収益改善期待等から、中・長期的に注目したい。 |
[サンリオ株価詳報]
 |
[連結]
- |
売上高 百万円 |
営業利益 百万円 |
経常利益 百万円 |
利益 百万円 |
1株利益 円 |
03.3 |
109,566 |
2,075 |
▼953 |
▼19,378 |
- |
04.3 |
103,989 |
4,325 |
2,486 |
5,357 |
69.8 |
05.5予想 |
104,300 |
6,000 |
4,200 |
3,700 |
47.6 |
[単独]
- |
売上高 百万円 |
営業利益 百万円 |
経常利益 百万円 |
利益 百万円 |
1株利益 円 |
1株配当 円 |
03.3 |
87,779 |
3,561 |
30 |
▼20,997 |
- |
- |
04.3 |
83,284 |
5,358 |
2,258 |
1,507 |
19.6 |
10.0 |
05.3予想 |
83,400 |
- |
2,700 |
1,600 |
20.6 |
10.0 |
|
二番目は、大幅増益の保土谷化学工業(東証一部、化学=4112、千株)に注目する。
保土ヶ谷化学工業は、2004年3月期は大幅な増収・増益となった。
連結子会社の決算期変更(15ヶ月決算)による増収分が約27億円含まれるが、ポリウレタン材料、情報記録材の販売拡大、固定費の低減などが寄与した。
2005年3月期は売上高が1%増ながら経常利益は約5割の増益を見込む。また、欠損金の解消で早期復配を目指す。
世界シェア5割というトナー用電荷制御剤(CCA)は品揃えも充実し、マーケットの成長とともに拡大している。また、有機EL事業では、発光剤や電子輸送剤などに注力し、総合材料メーカーとして、基盤作りを進めている。
新中期経営計画では、創業90周年にあたる2007年3月期には、売上高1,080億円、経常利益55億円、ROE13%目標としている。 |
[保土谷化学工業株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
03.3 |
86,816 |
2,531 |
1,452 |
364 |
5.4 |
04.3 |
93,489 |
4,281 |
2,681 |
544 |
8.0 |
05.5予想 |
94,400 |
5,100 |
4,000 |
2,200 |
32.9 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
03.3 |
22,0283 |
877 |
575 |
42 |
0.6 |
- |
04.3 |
20,240 |
1,190 |
278 |
▼648 |
- |
- |
05.3予想 |
20,200 |
- |
700 |
600 |
9.0 |
0.0〜5.0 |
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野村の証券用語解説集
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