(平成16年12月5日)
本日は三井トラスト・ホールディングス(東証一部、金融・保険=8309、千株)に注目する。
三井トラスト・ホールディングスは財務基盤の強化の総仕上げの段階に入っている。
三井トラスト・ホールディングスの与信関係費用は6年前の5,405億円から今期は400億円に急減し、実勢業務純益の20%程度となりそうだ。
また、三井トラスト・ホールディングスの不良債権比率は4年前の9.2%から今期末には3%程度に低下し、不良債権残高も2,800億円(4年前は9,569億円)へ。繰延税金資産はTierlの30%台、自己資本比率は10%台を維持しよう。
一方、三井トラスト・ホールディングスの今後の経営課題である収益力の強化も方向性が見え始めた。従来型貸金業務(事業会社向け貸出、債券運用など)のウエイトを低下させる一方、重点強化部門(個人向け貸出、ノンリコースローン、財産管理業務、代替投資)のウエイトが業務粗利益の約5割に高まってきた。
とくに、個人向け貸出では関東に強い同社店舗網を活かし、住宅ローンの増強などを目指す。
また、ローコストオペレーションを徹底、店舗の大幅な削減(5年前は166店→今上期67店)、社員数(同7,852人→同5,037人)の減少などで経費率は今期末には37%にまで低下する見通しだ(5年前は54%)。なお、1株当の配当は2.5円と三井トラスト・ホールディングス側は発表している。しかし、今期EPSは90円台。公的資金返済との兼ね合いもあるが、来期以降には増配等を期待したい。 |
[三井トラスト・ホールディングス株価詳報]
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[連結]
- |
経常収益
百万円 |
業務純益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
03.3 |
497,252 |
- |
▼24,727 |
▼96,710 |
- |
04.3 |
516,186 |
- |
105,361 |
50,786 |
55.5 |
05.3予想 |
520,000 |
- |
165,000 |
85,000 |
96.9 |
[単独]
- |
経常収益
百万円 |
業務純益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
03.3 |
7,251 |
41,474 |
9,829 |
8,228 |
3.6 |
- |
04.3 |
16,092 |
5,920 |
5,497 |
5,342 |
0.1 |
2.5 |
05.3予想 |
50,000 |
- |
38,000 |
38,000 |
39.8 |
2.5 |
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本日二番目は、日本農産工業(東証一部、食品=2051、千株)。
日本農産工業の今上期の売上高は19%増の603億円。飼料業界全体が前年比3.5%減(畜産)と10年振りの大幅減となるなか、日本農産工業の畜産飼料販売数量は3.7%増と善戦したほか、値上げが寄与した。
ただ、日本農産工業の営業利益は6.4%減、経常利益は4.5%増にとどまった。飼料安定基金の積み増しや、原料価格高騰等の影響による。
通期は畜産飼料の販売増やヨード卵の販売増、グループ会社の収益改善などはあるが、飼料の競争激化、安定基金負担増があり、売上高は9.7%増の1,200億円、経常利益は2.1%増の21億円を見込む。
なお、日本農産工業の予想配当は5円、12月3日時点での予想利回りは2.12%だ。
また、注目されるのは日本農産工業のバイオ事業だ。ニッチな4分野に限定(川上から川中にかけての研究支援、創薬・人の技術)し、海外企業と積極提携している。今期は10億円程度の売上を、利益面でも黒字転換が見込まれ、3年後には20億円超の売上を見込む。 |
[日本農産工業株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
03.3 |
113,134 |
2,039 |
2,179 |
1,157 |
9.0 |
04.3 |
109,388 |
2,324 |
2,056 |
1,084 |
8.6 |
05.3予想 |
120,000 |
2,100 |
2,100 |
1,200 |
9.3 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
03.3 |
88,015 |
1,541 |
1,681 |
454 |
3.4 |
4.0 |
04.3 |
94,015 |
1,682 |
1,623 |
916 |
7.3 |
4.5 |
05.3予想 |
102,000 |
- |
1,300 |
800 |
6.2 |
5.0 |
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野村の証券用語解説集
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