本日はまず、三菱マテリアル（東証一部、非鉄金属＝５７１１、千株）。

　三菱マテリアルが本年１１月８日に発表した中間期の売上高は前年比１２．６％増の５，２４９億円、経常利益は同５２．３％増の３６７億．７７百万円であった。９月２０日の上方修正値（売上高は５，１００億円、経常利益は３２０億円）を上回り、利益が拡大している。

　９月の上方修正値に比べて、売上高で３５０億円、経常利益で５０億円の上方修正にとどまり、ほぼ上期分が上乗せされた控えめな業績予想と考えられる。事業別に見ると、コスト上昇、アルミ缶の販売数量目標未達などで、アルミ事業は下期赤字予想と苦戦する見通しだ。しかし、銅事業が価格の上昇や買鉱条件の改善効果が期待されるほか、販売価格の値上げの進捗及び米国が好調なセメント事業の下期収益の拡大にくわえ、超硬工具の好調、そして持分会社を含めた全般的なコストダウン効果（事業構造改革を進めており、前期に比べ１７５億円の経常利益改善効果）が見込まれる。

　なお、当期利益の大幅増加は、ＳＵＭＣＯの上場による株式売却益約３９９億円の特別利益が発生するため。

　株価は上昇しているが、今後は収益の拡大とともに、財務体質の改善が評価される局面となりそうだ。

　本日二番目は、共立メンテナンス（東証一部、サービス業＝９６１６、百株）に注目する。

　共立メンテナンスは、学生寮・社員寮等を運営する寮事業、ビジネスホテル（ドミーイン）およびリゾートホテルなどを運営するホテル事業、オフィスなどのビルメンテナンスを請け負う総合ビルマネジメント事業の３つの柱を持つ。

　寮事業は少子化の流れはあるが、専門学校との強固な関係、有力大学を中心に提携学校数が加速しており、定員数は２０００年３月期の１９，６７２人（期初値）から２００６年３月期には２５，２８９人に拡大。また、契約率は安定的に推移しており、２００６年３月期は９７．３％と高稼働率。

　ホテル事業は２００４年７月に開業した「ザ・ビーチタワー沖縄」を始め、リーズナブルながら満足出来る癒しの空間を提供するリゾートホテル、美味しい朝食をテーマなどにするビジネスホテルも高稼働率を確保している。

　共立メンテナンスの今中間期は寮事業の安定成長、沖縄のホテルの通年寄与および値上げ効果などで、期初計画を上回る収益をあげた。とくに、寮事業以外の収益改善が出てきた点は注目されよう。

　共立メンテナンスの通期は、子会社群が予想以上に好調なことから、会社計画を上回る可能性がある。

　今後はホテル事業に注力。特に、リゾートホテルに注力し、２００６年３月期は６１億円、２００７年３月期は７４億円の投資計画を立てている。

　共立メンテナンスは積極投資で有利子負債も増加しているが、今下期から流動化で対応していく方針だ。従来は安定成長のイメージだったが、今後は成長企業として評価される局面もありそうだ。