(平成18年1月16日)
さて、新年最初の銘柄は、三菱レイヨン(東証一部、繊維=3404、千株)。
三菱レイヨンの中間期の売上高は3%増、経常利益は37%増。原料市況高騰で繊維事業の利益は減少したが、炭素繊維および液晶バックライト用プリズムシート「ダイヤアート」の好調、タイのMMA社の大幅増益(増設効果)が寄与した。MMAモノマー事業が下期堅調なことから、通期でも大幅な増益を見込む。
炭素繊維は強度が強くかつ軽量、錆びないことから航空機の部材として需要が急増。一方で、供給側は増産に動いているが、シェアトップの東レが航空機向けに振り向けたため、航空機以外の用途、すなわちスポーツ、レジャーや圧力容器、風力発電用ブレード向けの供給が逼迫、供給各社も価格引上げに動いている。三菱レイヨンは炭素繊維で東レ、東邦テナックスに次いで第3位のシェア20%弱程度と推定される。
また、今、需要が急増している航空機向けの実績は殆どない。しかし、エアバスA380向けに2006年末採用が期待されるほか、設備増強、コスト競争力の強化に努めており、現在20%の営業利益率の拡大も予想される。
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[三菱レイヨン株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
04.3 |
309,593 |
27,302 |
21,922 |
12,293 |
20.01 |
05.3 |
330,106 |
30,802 |
27,806 |
14,438 |
23.52 |
06.3予想 |
340,000 |
35,000 |
35,000 |
21,000 |
35.00 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
04.3 |
202,786 |
17,154 |
14,764 |
8,921 |
14.55 |
6.00 |
05.3 |
212,905 |
19,821 |
20,230 |
11,738 |
19.15 |
7.00 |
06.3予想 |
225,000 |
- |
24,500 |
16,000 |
26.67 |
8.00 |
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さて、本年二番目の銘柄は、三菱重工業(東証一部、機械=7011、千株)。
三菱重工業の9月中間期の売上高は前年比11%増、受注高は同17%増と好調だ。受注面ではドバイ向け全自動無人運転の交通システムやサウジの大型メタノールプラント、チリ、中国で火力発電プラントなど、海外での大型案件の受注が好調だったほか、中量産品の受注も増加した。
利益面では増収効果、コスト低減効果が大きく寄与し、営業および経常利益も黒字転換。通期では、資材価格上昇はあるが、02年度以降の受注好調、コスト削減効果があって、ややハードルは高いと思われるものの、上記の収益達成を目指す。
なお、12月に優先株の転換による普通株取得で三菱重工業の三菱自動車の持株比率が15.54%になり、第3四半期から三菱自動車が持分法対象になった。
ところで、三菱重工業は4月から収益力の回復を目指し、「アクション05」という全社緊急活動を推進、コストダウン、売上拡大、製品信頼性の向上による「収益改善活動」と、伸長事業への積極投資、不採算事業対策、物作り力の強化による「製品事業の強化」を推進している。具体的な諸施策は来年3月にも公表される見通しであり、その内容が注目される。
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[三菱重工業株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
04.3 |
2,373,440 |
66,630 |
29,772 |
21,787 |
6.46 |
05.3 |
2,590,733 |
14,772 |
12,538 |
4,049 |
1.20 |
06.3予想 |
2,800,000 |
57,000 |
36,000 |
18,000 |
5.34 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
04.3 |
1,940,133 |
35,248 |
7,555 |
5,210 |
1.55 |
6.00 |
05.3 |
2,097,918 |
-9,726 |
-9,635 |
-2,008 |
- |
4.00 |
06.3予想 |
2,220,000 |
- |
25,000 |
15,000 |
4.45 |
4.00 |
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野村の証券用語解説集
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