(平成18年2月27日)
本日はJFEホールディングス(東証一部、鉄鋼=5411、百株)に注目する。
JFEホールディングスの1月末に発表された第3四半期までの売上高は21646億円、営業利益は3736億円。第3四半期だけをみると、鉄鋼事業の営業利益が1102億円と第1四半期1219億円、第2四半期1492億円と比較して落ちているが、輸出を抑制したことによる影響が大きい。
ただ、第4四半期は季節的要因(自動車向け鋼板が拡大する)などで、第3四半期と比較して収益は拡大すること、円安傾向、原材料価格の上昇は想定内にあり、今期の業績下方修正リスクは大きくないと思われる。また、昨年9月末に指摘した中国の急増産による汎用品価格の下落傾向は未だ残るが、一部で在庫調整が進展している模様である。くわえて、国内メーカー向けのいわゆる高級鋼板は需給が依然として逼迫している模様で、今後も収益に寄与するだろう。
なお、今期の予想1株当たりの配当は100円予想と魅力的に思える。
一方で、世界の鉄鋼業界は中国の増産に悩まされながら、原料炭や鉄鉱石メジャーとの価格交渉などをふくめて、規模のメリットを追求する再編の動きが活発化している。世界最大手であるミタル・スチール(オランダ)が2位のアルセロール(ルクセンブルク)に約2兆6000億円の敵対的な買収を仕掛け、睨みあい状態だ(日本の大手高炉メーカーは新日鉄が住金、神戸鋼と持ち合いをやっているものの、再編に巻き込まれるリスクはあろう)。
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
04.3 |
2,473,725 |
253,605 |
218,372 |
106,872 |
185.84 |
05.3 |
2,803,699 |
467,237 |
460,684 |
160,057 |
273.97 |
06.3予想 |
3,050,000 |
520,000 |
500,000 |
310,000 |
527.90 |
[単独]
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売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
04.3 |
30,383 |
24,116 |
24,097 |
24,842 |
43.03 |
30.00 |
05.3 |
36,768 |
30,241 |
30,209 |
29,844 |
50.65 |
45.00 |
06.3予想 |
115,000 |
- |
105,000 |
105,000 |
178.80 |
100.00 |
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さて、本日二番目は、新華ファイナンス・リミテッド(東証マザーズ、9399、1株)。
新華ファイナンス・リミテッドの2005年12月期(日本基準)の売上高は84%増の129.89億円(1.1億米ドル)、経常利益は0.5億円、当期利益は3.32億円の赤字と好調な数字だった(当期利益は筆頭株主となったニッシンなどからの資金調達手数料が当期利益に若干影響した程度)。
買収効果にくわえ、主力の4つの事業がいずれも伸びた。利益率の高いインデックス事業および格付事業が牽引役となったほか、金融ニュース事業、IRサービス事業も堅調だった。2006年12月期は暖簾代の償却をするものの、当期利益ベースで黒字化を計画。
なお、為替は1ドル105円の前提であり、全般的にかなり控えめな計画となっている模様だ。中国関連の金融情報サービス等のニーズは非常に強く、当面新華ファイナンスの事業拡大は続きそうだ。また今後、外人投資家の関心も高まりそうだ。
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