八丁堀克美の株式勉強会
【続ズバリ株】

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最終更新日:2006年4月25日

(平成18年4月24日)

 本日最初は、商品市況上昇の恩恵を受けている丸紅(東証一部、商業=8002、千株)に注目する。

 丸紅の第3四半期までの売上総利益は前年比17%増の3627億円、当期純利益は同79%増の620億円であった。好調を支えた牽引役は資源・エルギー関連であるが、鉄鋼製品が引き続き好調なほか、赤字が続いていた情報・産業事業は、第3四半期で黒字転換した(第1四半期は6億円の赤字、第2四半期は7億円の赤字、第3四半期は約3億円黒字)ことも大きいだろう。一方、資材・紙パ事業、繊維、輸送機などは伸び悩んだ。

 丸紅は通期では、石油を始めとして商品価格が依然として予想以上に堅調なこと、前期に苦戦した情報・産業システム事業の収益改善が見込める点を鑑みると、会社計画の純利益700億円を100億円前後上回る可能性が高いと思われる。

 また、丸紅は財務体質の改善も進展している。2007年3月期は純利益で1000円の大台を目指すとの社長コメントが日経新聞に掲載(2月25日)されたが転換社債および優先株の処理問題などを含めた資本政策、足元絶好調の資源・エネルギー関連の反動がどの程度であるか、またダイエーを含めた小売事業の今後の方針などがどのような方針が打ち出されるかが注目される。

 なお、丸紅は4月26日に前期の決算発表が予定されているが、そこで新・中期経営計画の発表もある(前期までの“VPLAN”に次ぐ新・中期計画)。


[丸紅株価詳報]


[連結]
- 売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
04.3 7,905,640 78,624 58,900 34,565 22.85
05.3 7,939,437 85,375 55,852 41,247 26.61
06.3予想 8,600,000 150,000 130,000 85,000 56.80

[単独]
- 売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
04.3 5,877,283 18,836 23,617 12,307 7.94 3.00
05.3 5,712,374 11,868 48,450 11,123 6.44 4.00
06.3予想 5,900,000 25,000 65,000 17,000 11.40 6.00

 さて本日二番目は、今期ポシティブな取り組みを行っているタカキュー(東証一部、商業=8166、五百株)

 タカキューの前2月期の売上高は前年比9.3%増の202億円。クールビズ効果や天候要因、提携カードによる固定客作りの成功などから、既存店売上高が前年比3.9%増と好調だったほか、32店出店、16店退店で期末店舗は純増16店の172店。また、生産調達ルートの見直し、QR体制の進化、PB売上構成比アップなどで、売上総利益率が2.4%改善し54.7%となり、販管費比率は積極出店の影響で0.6%上昇したものの、営業利益、経常利益は大幅な増加となった。

 有休不動産売却、差入保証金・敷金回収、有利子負債の削減などで財務体質が大きく改善、前期は13期振りの復配(2円)を果たした。

 なお、イオンの持株比率は2005年2月期の15%とから前期末25%に上昇した。今2月期は、既存店売上高が前年比1%減、出店33店、退店5店、総利益率は0.5%の改善の前提で、売上高は6%増、経常利益は14%増を見込む。

 タカキューは臼井社長の下、財務体質の改善、不採算店舗の退店をほぼ終えたが、今期は、小売業から「お客様満足業」へ転換、業態の拡大と新規開発、利益構造の更なる改善等の取組みを推進する方針だ。なかでも、団塊世代をターゲートにした「Wilkes Bashford」、40歳代の男女をターゲットとした「m.f.editorial」、靴の「around the shoes」などの業態は、「タカキュー」の新たなスタートにふさわしい業態となる可能性があろう。

 また、今期のタカキュー側の収益計画も前期と同様に控えめと筆者は考える。


[タカキュー株価詳報]


- 売上高
百万円
営業利益
百万円
経常利益
百万円
利益
百万円
1株利益
1株配当
04.2 18,487 587 429 -1,640 -67.14 0.00
05.2 20,210 1,017 960 690 28.26 2.00
06.2予想 20,500 1,050 950 700 28.60 2.00〜3.00

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