(平成18年12月4日)
本日は、新日本製鐵(東証一部、鉄鋼=5401、千株)。
新日本製鐵は、ブラジルの鉄鋼最大手であるウジミナス社の議決権株式1.7%を取得、約100億円を出資すると6日に正式発表した。従来は間接的出資と技術供与などを行ってきたが、グローバル戦略上の最も重要なパートナーの一つのから、今回は直接出資の形だ。ウジミナス社は近く、3000億円から4000億円をかけて高炉を建設する計画を発表、新日本製鐵も参画する見通し。
新日本製鐵は先月20日に韓国再大手のポスコ社と資本・業務提携の拡大も発表済。ミタルとアルセロールの合併を皮切りに、世界的に再編が進むなかで、新日本製鐵も陣営拡大に本格的に取り組む姿勢が明確になったようだ。
上期の経常利益は前年比225億円減少の2689億円だったが、昨年のキャリーオーバー・在庫評価益等の一過性要因の600億円を除くと、実質増益となる。高級鋼の数量増、コスト削減が原料高をカバーした。通期の新日本製鐵計画の経常利益は4%減益予想。しかし、これも一過性の要因(830億円)を除くと、高級鋼の数量増、販売価格の引上げ、コスト削減、グループ各社の収益改善等が見込まれ、実質ベースでは15%の増益予想だが、控えめな予想ではないか。
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[新日本製鐵株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
05.3 |
3,389,356 |
429,948 |
371,446 |
220,601 |
32.73 |
06.3 |
3,906,301 |
576,319 |
547,400 |
349,903 |
51.08 |
07.3予想 |
4,150,000 |
530,000 |
525,000 |
310,000 |
48.34 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
05.3 |
2,147,863 |
303,886 |
247,826 |
145,824 |
21.63 |
5.00 |
06.3 |
2,591,388 |
433,933 |
388,740 |
244,034 |
36.21 |
9.00 |
07.3予想 |
2,500,000 |
- |
375,000 |
240,000 |
37.37 |
- |
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本日二番目は、セーレン(東証一部、繊維=3569、百株)。
セーレンは、今週月曜日に「次世代エレクトロニクス部材の量産立ち上げ」について発表があった。非繊維であるフィルム(ポリエステルフィルム)をベースにした次世代電磁波シールド材の製品化に成功、5年間で約120億円の大型投資による工場建設、量産設備の導入に着手する。来年はじめには年産200万uで開始し、2010年度には年産600万u、2010年の売上高は約100億円を目標とする。
従来のセーレンの繊維素材に比べ、このフィルム素材はコスト競争力で圧倒的に優位であり、量産対応も可能だ。主な用途としては、プラズマディスプレイ、デジタル電子機器の電磁波シールド材、導電材料などだ。なお、従来の繊維素材は大型サイズ対応(60インチ以上)で棲み分けを図る。
セーレンのエレクトロニクス事業の売上高は今期107億円程度と見られるが、この量産化で2010年度には230億円程度の売上を見込む。今期の収益は会社計画を若干、上回りそうだ。
また、セーレンは10年後に売上高3000億円を目指し、次世代ビスコテックス、セリシンの新用途開発、非繊維・新素材開発、次世代エレクトロニクス部品の開発などを進めているが、その成果が出てきたといえよう。
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[セーレン株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
05.3 |
71,537 |
5,109 |
5,039 |
1,861 |
32.27 |
06.3 |
101,319 |
5,371 |
6,824 |
3,557 |
57.95 |
07.3予想 |
110,500 |
6,600 |
7,500 |
4,200 |
67.68 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
05.3 |
62,094 |
3,310 |
3,602 |
1,227 |
21.02 |
7.50 |
06.3 |
68,015 |
3,064 |
3,411 |
1,559 |
24.75 |
10.00 |
07.3予想 |
68,200 |
2,500 |
2,950 |
1,600 |
25.78 |
15.00 |
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野村の証券用語解説集
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