八丁堀克美の株式勉強会
【投資戦略】

平成17年の投資戦略です。ご自身の投資方針の参考としてご活用いただければ、幸いです。
最終更新日:2005年1月10日

(平成17年1月5日)


平成17年の投資戦略

平成17年の投資スタンス



 2005年の株式見通しを一言で大胆に予測するなら、「不透明」ながらも短期売買で稼ぎながら、押し目を待つスタンスという感じになるだろうか。


 大方の市場関係者の見方は日経平均が10,000円から13,000円のレンジ、年央高か年末高という。しかし、様々な不透明要因がのしかかるなか、2004年度第4四半期(1〜3月)および2005年度3四半期まで(4〜12月)は、2006年度からの本格上昇の踊り場としての位置づけ、構造改革の最終局面期と考え、株価は案外、調整局面が長いのでは、と筆者克美は考えている。


 ただし、強気局面の時期は、この1〜3月期、すなわち前半勝負となりそうである。


 国・地方の負担を国民に押し付ける政策が鮮明となり、4月以降、消費は落ち込み、国内景気は一時的に正念場に入るであろう。


 また、米国景気は依然として堅調ながらも、双子の赤字、住宅価格のバブル崩壊懸念など、先行き予断は許されない。


 一方で、中国は万博、オリンピックまでは少なくとも成長が続くという神話が崩れ、一時的な急減速、後退の可能性が見えてくる年となろう。


 また、需給逼迫状態が中期的に続く商品相場は世界経済の不安定化をもたらし、株式市場を取り巻く環境には懸念材料には事欠かない。しかしながら、これらの懸念材料は市場関係者が大方、想定しており、リスクヘッジをしている。


 むしろ、膨張し続けるヘッジファンドのつまずきなど、ネガティブ・サプライズがどの時期にあるのか、どの程度出てくるのか、その辺を考える必要があるだろう。


 企業業績は好調ながら、2005年度上期は絶好調だった昨年度の反動や、国内景気の一時的後退、IT関連の調整長期化、減損会計対応などで、減益となるかもしれない。この減益を織り込む局面では株価調整が予想される。


 筆者克美は、年前半、とくに1月から3月にかけては、日本株を前向きに考えている。日経平均は1万1,500円台に入り長いボックスから抜け出しつつあるほか、昨年後半に急落した中・小型株が底打ちから反転してきている。


 また、ブッシュ大統領の2期目の就任式が1月20日、イラク議会選挙が1月30日にある。この前後で市場関係者は「双子の赤字」によるドル安、米株の下落を想定しているようだが、米国政権自身がこの「裸の王様」を認める訳はないであろう。「裸の王様」が見えるのはもっと先となりそうだから。


 予想以上のドル堅調、そして外国人買いがあれば、3月にも日経平均が年内の高値を付けに行く姿が想像される。


銘柄選択の視点


 いずれにせよ、なかなか当たらない相場全体の見通しを議論するより、何を買ったらいいのか、すなわち投資家の多くの関心は個別銘柄の動向にある。


 注目テーマは、ネット・モバイル関連、銀行などを含めた再生関連、株主還元などであろう。


 ネット・モバイル関連はマーケット全体が成長市場の最中にあり、株価は上昇しているものの、筆者克美は割高とは考えていない。インターネットはブロードバンドの普及で、携帯電話は通信料定額制の広がりで、格段にマーケットは拡大するためである。


 再生関連はといえば、外国人投資家が買う銘柄、再生ファンドが経営に関与している銘柄、M&Aなどで事業を拡大している銘柄など、幅広い視点から「買える」銘柄を探せる。これは株主還元なるテーマにも密接にかかわる。


 昨年はスティールパートナーズがユシロやソトーで注目を浴びたが、幅広い銘柄に外資ファンドが株主として登場している現実を鑑みれば、今年も注目される動きとなろう。


 三番目の株主還元、これは日本株の割安感とも結びつく。いまさら議論すると笑われるのでやめておくが、新日鉄の株主から見れば、財務体質の改善は課題といいながら、3,000億円以上の経常利益を稼ぐのに、年間配当が1.5円や3.0円では納得がいかないのではないだろうか。

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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