八丁堀克美の株式勉強会
【投資戦略】

平成17年3月の投資戦略です。ご自身の投資方針の参考としてご活用いただければ、幸いです。
最終更新日:2005年3月1日

(平成17年3月1日)


平成17年3月の投資戦略

平成17年2月の株式市場を振り返って



 1月末には、イラクの国民議会選挙が無事投票を終え、また先物主導の買いから日経平均株価は1万1467円まで高値を付けた。しかし、2月に入ると週末にはG7を控えていることと、不良債権拡大が伝えられた三井住友フィナンシャルグループの下落したことを契機に、先物からの売り急ぎとなり、日経平均株価は1万1300円を割り込む場面をみせた。


 第2週目にはG7の声明が前回と変わらない内容となったため、為替相場の波乱が回避されたことや、ブッシュ政権が財政赤字の半減を公約したことが明らかとなり、為替は1ドル=160円の手前まで円安となった。つれて、ハイテク株の反発や鉄鋼・海運株、銀行、商社株などが賑わいをみせた。さらには、1〜3月期の機械受注が前期比9.9%増との見通しから日経平均株価は1万1553円まで回復した。


 3週目は、外国人投資家の利益確定類を交えながらも、景気の踊り場放れの期待から、日経平均株価は久しぶりに1万1600円台を回復した。こうしたなか、ニッポン放送の買収をめぐりM&A関連銘柄が乱高下する動きを見せた一方で、エルピーダメモリーの見通しが好感され、ハイテク株の戻りを誘った。


 最終週には、米国のプレジデントデー(祝日)明けにWTI原油価格が51ドル台に大幅上昇したことから、ニューヨークダウが前日比174ドル安と大幅下げとなった。これを受けて23日の日経平均株価は一時140円を超える下げをみせたものの、終値では1500円をキープし、底値の堅さを確認した形となった。


 その後、ニューヨーク株式市場の反発を受け、主にハイテク企業に買いが入ったこと、投信の新規設定により需給改善期待が寄与したこと、そして1月の鉱工業生産が事前の予想を上回ったことなど好材料が相次いだため、日経平均株価は約8ヶ月ぶりに1万1700円台を回復して、2月の相場を終えた。


今後の株式市場


 2月第3週の外国人投資家は2,460億円の買い越しと10週連続して買い越した。一方、信託銀行が7週連続の売りなど、国内勢は相変わらず大幅に売り越しており、相場の上値を抑える形となっている。


 「国内景気にたいする見方」等々ファンダメンタルズ要因よりは、とにかく「株」を売ってキャッシュにする「やむを得ない」売りで、期末になる3月半ばまでには大方、売りペースは弱まって来るであろう。


 2月後半にはWTIが50ドル台乗せで、ドルの変動・インフレ懸念も強まってニューヨーク株式市場が下落したときには、さすがに日本株も売られた。


 しかし、3月の配当取り、4月からのペイオフ全面解禁にむけての資金流入、欧米市場の堅調による外国人買いの継続、医薬品業界に見られるように大型合併・再編問題、みずほとUFJとの統合決定などにくわえて、国内景気が4〜6月以降に回復するというシナリオが見えれば、この3月相場は月半ば以降、上昇基調が強まるのではないか、と筆者は考えている。


 とくに原油高・国際商品市況などを背景としたオイルマネーの流入、日本の同関連株にたいする物色、そして最大の懸念材料であったハイテク株の底入れ(在庫調整はほぼ終了、今後は株価の反発が待たれよう)が期待される。


 そうなると、日経平均もいよいよ1万2000円の大台突破ということになろうが、現在は出遅れている大型株が値を上げる局面も想定しておくべきだ、と筆者は考える。


 短期的には、フジテレビとライブドアの動向に注意したい。


 新株予約券を発行し簡単に大量の増資が可能となると「既存株主の権利は、日本では一体どうなっているのか」という外国人投資家の疑念、そして売りとならないようにと願っている。マーケット参加者にとっては、どちらが勝つとか負けるとかが問題ではないからだ。


銘柄選択の視点


 いずれにせよ物色は、当面は市況関連、月半ばからは一部ハイテク関連株へシフトというのが効率的と思われる。


 ただ、ハイテク株へ大きくシフトするのは危険であり、打診的な動きで対応したいと思う。ポイントは、新日鐵(5401)が300円を超えてきたら佳境と考えられ、物色の方向性を大きく変化させる勇気を持つべきではないか、と筆者は考える。

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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