八丁堀克美の株式勉強会
【投資戦略】

月1度発表している投資戦略です。ご自身の投資方針の参考としてご活用いただければ、幸いです。
最終更新日:2005年6月11日

(平成17年6月9日)


平成17年6月の投資戦略

力強さを欠くの株式市場


 日経平均株価は5月17日のザラ場安値である1万0788円59銭から緩やかに戻り歩調をたどっている。それでも、相場全体に力強さはなく、信用の買残を多く抱えて5月の急落で打撃を受けた個人投資家が立ち直れるにはほど遠い感がある。


 それでも、米国金利の低下、予想以上の景気の堅調などもふくめて米国株が上昇、海外株とくにヨーロッパ、台湾などの戻りに比べてみると日本株の戻りが悪い。なぜだろうか?


 3兆円強の買い残の重し、外国人投資家の様子見姿勢といった需給面の問題で片づけてよいのだろうか?


地政学的リスクの重み


 1〜3月の実質GDPが5月下旬に発表され、年率5.3%と強い数字にもかかわらず、また今期の予想の企業収益見通しが出揃い、PERが急低下したもかかわらず、あまり反応しなかった日本株になにか悪材料があるのか?と勘ぐってしまう。


 やはり、日本株に今一歩強気になれないのは、地政学的リスク、とくに中国および北朝鮮問題が背景にありそうである。


 中国バブルの崩壊はすぐにはないと思われるものの、一旦は大幅な資産価格の調整に見舞われるであろうし、また北朝鮮は核問題が全く解決されていないのが現実だ。この2つがきれいになれば、すぐにでも日経平均株価は1万2000円超となるのであろうが。


最近の株式市場について


 しかし、機械関連、例えば工作機械や建設機械株が新値をとったりしている点をみると、物色意欲が出ていること、押し目買いニーズが強いこと、選別物色も見え始めていることに注目すべきだろう。


 ただし、IPO(新規公開)の過熱人気や短期値幅取りの動きがより強まるなかでやや薄商いの乱高下する株価の動きをみていると、「投機家」ではなく「投資家」が参加するにはかなりリスクも伴う。


 とくに世の中には「情報屋」や「株式の評論家」のコメントが氾濫し、チャートのポイントなどを示して「売り」、「買い」そして目標株価まで示すにはあきれる限りである。これらの「評論家」もどきは、ろくに会社の内容を理解しないで堂々と語っているので恐ろしい。

 もっとも、「儲かればかまわない」、「存したくなければ株式投機市場」に参入するなと反論されるかもしれない。


 とはいえ、株式投資市場の健全化、個人投資家の育成の重要性を考えるとこのままではいけないと筆者は思う。


銘柄選択の視点


 話がずれたが、投資家の「行き過ぎた」売りに対しては「買い」、「行き過ぎた」買いには「売り」で臨めば、パフォーマンスも良くなるのではないかと考え出したこの頃である。


 高成長企業や出遅れ企業の押し目買いや突っ込み買い、すなわちバーゲン・ハンティングで今後は対応したい。 

※これは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資の最終判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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