これまでの株式市場
日本がゴールデンウィーク真っ最中、ニューヨークダウは連日、最高値を更新していた。その他の株式市場も概ね高く、また為替もやや円安傾向になり、ゴーデンウィーク明けの日本株市場が注目されていたが、休み明けの7日には日経平均が274円高。東証1部
の出来高も22億株弱となったほか、新高値銘柄が増加するなど、徐々に物色意欲が回復しており、日本株市場もようやく出遅れ感の解消に動き出したようだ。
出遅れている日本株市場
では、2月末の世界同時株安後から、どうして日本株市場が出遅れいていたのだろう か。最大の要因は、やはり需給関係にあったと思われる。その需給関係はある意味で、悪いことが重なったといえそうだ。個人投資家は新興市場の急落で大きな痛手を負っていたし、信託銀行の売りは大きかったし、外人投資家の大幅な先物売りがあった。くわえて、ファンダメンタルズの不安要素、国内景気、為替、中国、米国の住宅問題などがあった。需給が悪く、ファンダメンタルズが不安定なら、低迷するのはある意味でしかたがない、といえるかもしれない。
しかし、そのような状況でも、日経平均ベースでは1万6500円台を確保していていたし、東証1部上場のグローバル企業は非常にしっかりした株価の動きを見せていたように思える。
今、相次いで発表されている3月期決算の内容を分析しているが、なぜあんなに売られたのだろうか?と感じるくらいである(例えば新日鉄が4月25日に743円まで売られた・・・例えばだが・・・)。会計制度の変更で減価償却が増加するほか、成長のための投資や為替の前提、その他を鑑みても、今期予想は控えめに見える。
それとともに、欧米で広がっているM&Aブーム。ブームというより、バブルに近く
なっているのだろうか?それはまだ、はっきりしないが、少なくともブームかバブルの終わりでなく、今まだ始まってそれ程経っていない、という感じがする。
となれば、決算発表が終わるころには、既に日本株の水準訂正、出遅れ修正が強まることが想定される。
物色の視点
物色は、鉄鋼、非鉄、商社などをはじめ、出遅れ感がある銀行にも注目している。
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