(平成17年2月21日)
今回の最初の銘柄はアサヒビール(東証一部、食品=2502、百株)。
ビール市場全体のマイナス幅が縮小(2004年は1.6%減)するなか、圧倒的なブランド力の「スーパードライ」が4年ぶりにプラスに転じた。また、新市場拡大や増税の影響を受けた発泡酒(市場全体は8%減)もアサヒビールは「本生」が堅調で、0.4%減にとどまった。
そのため、アサヒビールのビール・発泡酒の市場シェアは41.7%と前年比1.8%上昇し、2004年12月期の営業利益は1,012億円と会社計画の880億円を大きく上回った。製造・物流のコストダウンや販促費の削減で単体の営業利益が計画比100億円超となったほか、アサヒ飲料社も販売増・コストダウン効果で計画を上回った。
2005年12月期も売上高、利益面ともに過去最高益更新を目指す意欲的な目標。2005年のビール・発泡酒市場が前年比2%減と予想されるなかで、アサヒビールは「スーパードライ」が0.3%増、「本生ゴールド」投入で発泡酒の急減をカバー(29.6%減)、雑酒「アサヒ新生」の発売(4月20日)によって、発泡酒・雑酒を前年比11%増と見込み、トータルでは2.9%増と強気の計画を立てている。ただ、市場環境が依然として厳しいほか、制度変更の悪影響があって、楽観は禁物。
とはいえ、アサヒビール側では販促費の効率的な活用、経営予備費(売上が目標に達しないときの予備費)110億円を計上しているほか、飲料の堅調も想定され、リスクは大きくないと考える。
なお、2004年12月期も370億円の特損が発生したが、2005年12月期以降は大きな特損は発生せず、当期利益ベースで増益幅が拡大する見通し。
予想EPSは94円台、2006年12月期には100円近くまで達し、PERからの割安感も出てこよう。 |
[アサヒビール株価詳報]
 |
[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
03.12 |
1,400,301 |
78,983 |
70,480 |
23,210 |
46.8 |
04.12 |
1,444,225 |
101,272 |
95,650 |
30,595 |
62.5 |
05.12予想 |
1,525,000 |
102,500 |
98,000 |
46,000 |
94.4 |
[単独]
- |
経常収益
百万円 |
業務純益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
03.12 |
1,106,977 |
72,365 |
62,838 |
16,379 |
33.1 |
7.5 |
04.12 |
1,116,360 |
91,733 |
88,659 |
38,196 |
57.8 |
13.0 |
05.12予想 |
1,164,000 |
- |
89,000 |
44,000 |
85.7 |
15.0 |
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本日二番目は、千代田化工建設(東証一部、建設=6366、千株)。
千代田化工建設は第3四半期の決算発表時に通期見通しを上方修正。経常利益は従来予想の87億円から92億円へ、当期利益は83億円から100億円へ、受注高予想を2,600億円から4,000億円へ。
ただ、売上高は為替の円高(105円から100円)などの見直しから修正しなかった。
環境問題がクローズアップするなか、天然ガスの需要が高まっており、中東各国などによる投資が活発化。とくに、埋蔵量3位のカタールからの受注が同社の収益の牽引役となろう。 |
[千代田化工建設株価詳報]
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[連結]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
03.3 |
166,367 |
1,548 |
2,393 |
1,999 |
10.8 |
04.3 |
206,816 |
5,881 |
6,348 |
6,646 |
35.9 |
05.3予想 |
250,000 |
- |
9,200 |
10,000 |
52.7 |
[単独]
- |
売上高
百万円 |
営業利益
百万円 |
経常利益
百万円 |
利益
百万円 |
1株利益
円 |
1株配当
円 |
03.3 |
130,470 |
618 |
2,301 |
2,684 |
14.5 |
- |
04.3 |
169,787 |
3,689 |
4,010 |
4,255 |
23.0 |
- |
05.3予想 |
210,000 |
- |
7,100 |
9,000 |
47.5 |
5.0 |
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野村の証券用語解説集
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